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姿勢よく

2019年07月30日

 へこりと at 10:10  | Comments(0)
文月 5

子供のころから体がかたい。
おかげで年中、肩こりと背中の張りと腰痛に
悩まされている。 
この頃、お世話になっている整体師さんがいる。
飲み屋を営むりさこさんに、
紹介してもらったのだった。 
初めて訪れたときに、
ベッドに横たわって、背中を触ってもらったとたん、
なんじゃこりゃあ!と、叫び声をあげられた。
そのあと、
あちこち触ってもらうたびに、おなかもかたい、
腰もかたい。
股関節のかたさはひどいものと、
あきれられてしまったのだった。
今年の梅雨は梅雨らしい、
雨と曇りの日が長々つづいた。
そんな陽気にことさら体の調子もわるくだるく、
馴染みの飲み屋にも、行く気が起きないほどだった。
土砂降りの休日、
体を整えてもらいに整体師さんを訪ねた。
こちらの背中に鍼を打ちながら
体がかたいだけじゃなく、
姿勢がわるいのも肩こりの原因だという。
たしかに、子供のころから猫背の体型だった。
まだ祖母が生きていた頃、
そんな姿勢だと、
大きくなったらせむし男になっちゃうよと
言われたことがある。
保育園から帰ってくると、背筋を伸ばすように、
長いものさしを背中に突っ込まれていたものだった。
ウォーキングをするといいと、つづけていう。
おおきく腕を振って歩くと、
肩甲骨が引きしまって姿勢が良くなる。
足や腰も使うから、
好い運動になるとすすめるのだった。
それ以来、早朝の町なかを、1時間歩き回っている。
先日、母が肩こりがひどいとこぼすので、
整体師さんのもとへ連れて行った。
たっぷり1時間施術をしてもらったら、
こんなに丁寧に体を揉んでもらったのは、
初めてのこと。楽になったと喜んでくれた。
あんなに腕のいい整体師さん、
どこで知り合ったんだねと聞かれたから、
飲み屋の女将さんの紹介でと答えたら、しみじみと、
あんたも無駄に酔ってるわけじゃあないんだねと、
へんな褒めかたをされた。
文月最終週、氏神さんの境内で蝉が鳴きだした。
いよいよの夏本番。体の調子を整えて、
美味しいものを食べて飲んで、無駄に酔っぱらって、
元気に過ごしたいのだった。








  


同級生たちと

2019年07月26日

 へこりと at 09:46  | Comments(0)
文月 4

高校の同級生たちと酌み交わした。
全部で6人集まって、乾杯をする。
卒業しておよそ40年。
みんな、すっかりくたびれたおじさんになっている。
さいごに同級会をしたのが30年前だった。
あゆざわとか、いなばとか、おおはしくんとか、
かぶらぎとか、しみずとか、せきねとか。
順ぐりに同級生の顔を思い浮かべると、
消息不明の友だちが、なかなか多い。
卒業名簿など、とうの昔に無くしているから、
同級会を開きたくても連絡先がわからない。
フェイスブックで検索すれば、
引っかかってくるかもと言われても、
苗字は覚えていても、下の名前がおぼつかない。
困ったことなのだった。
組織で働く友だちたちは、
あと何年かすれば定年退職になる。
その後の人生をどうするか思案の最中という。
山あいで暮らす友だちは、
退職したら、もう働き口は探さない。
農作業に精を出すという。
そもそも高校を卒業したときに、
生まれ育った村のお役に立ちたいと、
役場に勤めたのだった。それが平成の大合併で、
村が長野市に吸い込まれてしまった。
長らく、顔見知りばかりの
村の人の世話をしていたのが、
あちこちに移動することになり、
勝手のちがう忙しさに、振り回されることとなる。
人間関係のしがらみもあって、
ずいぶんストレスも抱えた。
この先は、家族が食べていける分の、
米を作って野菜を育て、
村の暮らしに落ち着きたいという。
すっかり禿げ上がったつるつる頭に、
しみじみと気苦労がうかがえたのだった。
みなそれぞれに、
大きな会社で、理不尽なことを我慢したり、
自ら会社を立ち上げて、大勢の社員を養ったり、
四苦八苦頑張っている。
ものぐさな日銭かせぎの身には、
とうてい出来ないことと、頭が下がる思いだった。
とこどき、こうしてお互いの近況話を肴に一献。
近々の再会を言い合ったのだった。








  


選挙の前に

2019年07月18日

 へこりと at 10:05  | Comments(0)
文月 3

松本イオンシネマで、映画「新聞記者」を観た。
国会で騒がれたモリカケ問題を題材にした作品で、
参議院選挙が近いせいか、
平日にもかかわらず、ほぼ席が埋まっていた。
映画への、関心の高さがうかがえたのだった
東都新聞の記者、吉岡役のシム・ウンギョンと、
内閣官僚役の松坂桃季の演技が好い。
緊迫した展開に、2時間の上映があっという間だった。
途方もない額のお金が動いたり、
謎めいた人の絡みに、
お国のえらいかたのやっていることは、
下々の身には、距離が遠くてわからない。
選挙の折りはよくよく考えて、
一票を入れなければいけないのだった。
先日、仕事の取り引き先の人に
用事があって来てもらった。
いつもなら、会社の名前の入った商用車で来るのに、
めずらしく、自家用車でやってきた。
話を聞いたら、会社が不景気で、
商用車を売り払ってしまったという。
自動車はなにかと経費がかかる。社員の自家用車に、
月々定額のガソリン代を払ったほうが、
会社の損が少ないのだった。
善光寺仲見世の、老舗の、
大きな土産物屋が取り壊された。
連日,通り一本はさんだこちらにも重機の音がして、
すっかり更地になった跡地には、
スターバックスができるという。
仲見世には、すでに何件かの、
大手の土産物屋ができている。
物が売れない時代になって、高齢だったり、
後継ぎがいなかったり。
無理をして商いをするよりも、
家賃で暮らしたほうが、体も気持ちも負担がない。
門前の景色が、少しづつ変わっていく。
近所の蕎麦屋の御主人や、土産物屋の奥さんが来れば、
決まって、ひまだよ~と嘆く。
馴染みの飲み屋へ出かけても、今月は、
開店以来最低の売り上げだったとか、
ひとりもお客が来ない日があったとか、
御主人がため息をつく。
ため息をつきながら、酒をどぼどぼ注いでくれるから、
申しわけがない。
健気に足を運ばないといけないことだった。
テレビをつけると安倍さんが、
景気は確実に上向いておりますと、にこやかに語っている。
どこの世界の話だい?
観るたびに、ビールが不味くなっている。




  


母と息子と

2019年07月16日

 へこりと at 09:18  | Comments(0)
文月 2

近所に、世話になっている和菓子屋がある。
甘さ控えめのそば饅頭や、
柔らかな味わいの丸いきんつばに、
季節の生菓子などを、知人宅への手土産に、
ときどき買わせてもらっている。
先日、奥さんにお会いしたから、
息子さんは元気でがんばってますかと尋ねたら、
あいかわらず電話がかかってきては、
のろけ話を聞かされていると、苦笑いを浮かべるのだった。
跡取り息子さんが、
ただいま関西の菓子学校で勉強をしている。
春のはじめに彼女ができたのだった。
同じ学校に通う女の子で、
5月の連休に帰省した折りに、
早々に連れてきて紹介されたという。
学校を卒業したら一緒に暮らしたいと言いだす始末で、
彼女に無我夢中の、
あんこのように甘い毎日を送っているのだった。
来月のお盆休みにも連れてくるというから、
お盆の忙しいときに来てもらっても、
まともなもてなしができない。
場合によったら、手伝ってもらうはめになるやもしれず、
それも申しわけがない。
さてさて、どうしたものかと困った顔をする。
高校時代はバスケットボールに夢中で、
おんなのおの字もなかったのに、
アツアツの青春してますねえと、
息子さんの顔を思い浮かべて笑った。
それにしても今の子供は、
恋愛のことでもなんでも親に話すのだから、
風通しがよいことと感心した。
学生の頃、そんなことが親にばれれば、
女にうつつをぬかしていないで勉強しろと、
怒られたものだった。
時代によって親子の間柄も変わっていると、
うかがえるのだった。
若い子の恋愛は、勢いがあって、
はたから眺めていてもまぶしい。
女にうつつをぬかしながらどれも成就せず、
体力気力を使い果たしたおじさんは、
息子さんの恋路が長々つづきますよう、願う次第だった。









  


元気に日々を

2019年07月03日

 へこりと at 15:26  | Comments(0)
文月 1

7月初日、善光寺の仲見世に、すこし観光客の姿が増えた。
馴染みの蕎麦屋の丸清さんへ、昼酒に出かけたのだった。
暖簾をくぐって戸を開けたら、
1階のテーブルは満席で、2階の座敷へと上がった。
草履を脱いで部屋に入れば、いちばん奥の席で、
先客の、おばさん4人が生ビールを飲んでいた。
入り口わきの席に座って、天ぷらをつまみに、
こちらも生ビールを飲み始めれば、
おばさんたちのにぎやかな話し声が、
いやでも耳に入ってくる。
生ビールはね、最後まで泡を残すのがコツなのよ。
おねえさん、おかわりちょうだい。
あなた最近姿勢がわるいわよ。肩を抜いて、
胸を前にださなきゃだめよ。
こちらもいつも猫背の身で、肩を抜いてね、胸を前にね。
言い聞かせた。
旅行の好きな人たちらしく、
イタリアで聴いたカンツォーネは、
涙が出るほど素晴らしかったとだれかが言えば、
あらっ、涙といえば、ポルトガルのファドもよかったわよと、
ほかのひとりが切り返す。
昨日まで元気だった旦那さんが、
コロッと逝ってしまった話がでれば、
あなたみたいにだらしのない人は、
ろくな看病ができないから、コロッと逝ってくれたのよ。
旦那さんに感謝しなさいよと皮肉られている。
フキと山椒の佃煮で、大信州を酌みはじめたあたりでは、
近所の美容室が、借金こさえて夜逃げをした話が出て、
他人事ではないと冷や汗が出た。
最近購入したマンションの住み心地に、
なかなか慣れないとだれかがこぼすと、
なに言ってんの、今どきあんな立派なマンションに
住めるだけでも贅沢よとたしなめられていた。
義理の弟に、
連帯保証人を頼まれたけれど断った話では、
そうよ、いくら身内でも保証人はだめよと
みんなでおおいに賛同して、
お蕎麦やかつ丼が手元にきたら、
お蕎麦、美味しいわねえ。かつも柔らかいわと、
わしわし箸をうごかして、
あちこちと尽きぬ話を聞きながら、その元気ぶりに、
思わず笑いがこみあげてしまったのだった。
お会計を済ませて出ていくときに、
騒がしくてごめんなさいねえと声をかけてきたから、
いえいえ、楽しく話を聞かせてもらいました。
お気をつけてと見送った。
いろいろあるけれど、ああして日々を元気よく。
昼のひととき、ビール2杯と日本酒2合で、
見も知らぬおばさんがたを見習ったのだった。