すだちを頂いて
長月 六
秋の観光シーズンをむかえ、
善光寺に老若男女の姿が多い。
それでも、通り一本隔てたわきの路地は、
喧噪もなく、秋晴れの空を眺めながら、
ときおりひびく、虫の声に、耳をかたむけている。
昼下がり、おとどけもので~すと、
ひさしぶりのかたが訪ねてきた。
遠くの町に暮らす幼なじみで、
自宅の庭で採れたすだちを、
袋いっぱい持ってきてくれたのだった。
母親同士が友だちで、家も近所だったから、
小学生のとき、ときどきいっしょに遊んでいた。
ひとつ年上のお姉さんで、
何をして、何を話したか、今ではすっかり定かではない。
いつのまにか疎遠になって、
長いあいだ、音信不通のままだった。
それが、思いがけなく、
フェイス・ブックで見つけていただいて、
連絡をいただいたのだった。
子供の頃の様子を思いだせば、
ぽっちゃりとした女の子の覚えがあった。
ところが、フェイス・ブックで今の姿を拝見したら、
細く美しくなっていて、ぶったまげてしまった。
会わないあいだの年月の長さを、
しみじみ、感じてしまったのだった。
長らくの縁が切れることもあれば、
切れたと思っていた縁が、ふたたびつながることもある。
人の絡みは、とかく予想のできないこととおもしろい。
そんな、人との絡みを繰り返して、
今日に至っているのだった。
すだちはどれも大ぶりで、
じっくり焼いた秋刀魚に絞って食べれば、
口いっぱいに爽やかな酸味がひろがって、
辛口の日本酒に好く合う。
白身の刺身に、麦焼酎のロックに、
もし、手に入るなら、焼いた松茸にも絞って、
秋の味を楽しみたい。
夕方の新幹線で戻るといい、
いそがしい合間の気遣いに感謝した。
今度帰省した折は、
ゆっくりお会いできますよう、願うのだった。

秋の観光シーズンをむかえ、
善光寺に老若男女の姿が多い。
それでも、通り一本隔てたわきの路地は、
喧噪もなく、秋晴れの空を眺めながら、
ときおりひびく、虫の声に、耳をかたむけている。
昼下がり、おとどけもので~すと、
ひさしぶりのかたが訪ねてきた。
遠くの町に暮らす幼なじみで、
自宅の庭で採れたすだちを、
袋いっぱい持ってきてくれたのだった。
母親同士が友だちで、家も近所だったから、
小学生のとき、ときどきいっしょに遊んでいた。
ひとつ年上のお姉さんで、
何をして、何を話したか、今ではすっかり定かではない。
いつのまにか疎遠になって、
長いあいだ、音信不通のままだった。
それが、思いがけなく、
フェイス・ブックで見つけていただいて、
連絡をいただいたのだった。
子供の頃の様子を思いだせば、
ぽっちゃりとした女の子の覚えがあった。
ところが、フェイス・ブックで今の姿を拝見したら、
細く美しくなっていて、ぶったまげてしまった。
会わないあいだの年月の長さを、
しみじみ、感じてしまったのだった。
長らくの縁が切れることもあれば、
切れたと思っていた縁が、ふたたびつながることもある。
人の絡みは、とかく予想のできないこととおもしろい。
そんな、人との絡みを繰り返して、
今日に至っているのだった。
すだちはどれも大ぶりで、
じっくり焼いた秋刀魚に絞って食べれば、
口いっぱいに爽やかな酸味がひろがって、
辛口の日本酒に好く合う。
白身の刺身に、麦焼酎のロックに、
もし、手に入るなら、焼いた松茸にも絞って、
秋の味を楽しみたい。
夕方の新幹線で戻るといい、
いそがしい合間の気遣いに感謝した。
今度帰省した折は、
ゆっくりお会いできますよう、願うのだった。
十九の会で
長月 五
残暑もなく、あっさりと秋になった。
朝夕の冷え込みも増して、
城山公園の桜の葉っぱも色づいてきた。
秋の夜長の一献が、楽しみなときなのだった。
近所のこまつやさんへ出かけた。
パスタとワインの店にて、この日は日本酒の会が行われた。
信州新町の、尾澤酒造さんの十九という銘柄が、
こまつやさんの品書きに載っている。
幾種類、飲みましょうという催しだった。
尾澤さんは、蔵人四人のちいさなお蔵さんで、
お嫁さんが杜氏を務めている。
純米大吟醸で乾杯をして、女性杜氏の話を伺いながら、
前菜とパスタをつまみながら味を利く。
自社培養の秘密の酵母を使った味に、
三年熟成した味、リンゴのような酸味の味と楽しんで、
肉をかじりながら、秋の酒を酌んだ。
貼られたエチケットが印象的で、春の桜、夏の入道雲、
おしゃれで目を引くデザインは、
日本酒に馴染みのうすいかたにも、
興味を持っていただける。
秋の酒二種類には、
それぞれイチョウともみじがあしらわれていた。
造りには、米を無駄にしないのと、
世話になっている農家さんのために、
規格にはずれた米も使っているという。
磨かれた粒を見せてもらったら、
言われなければわからないほどきれいで、
実際、好い味わいの酒になっているのだった。
幸い、今年は米の出来が好いという。
秋深まれば、お蔵さんのかたがたにも
今季の造りのときが近づく。
つくづく御苦労なことと、あらためて思うのだった。

残暑もなく、あっさりと秋になった。
朝夕の冷え込みも増して、
城山公園の桜の葉っぱも色づいてきた。
秋の夜長の一献が、楽しみなときなのだった。
近所のこまつやさんへ出かけた。
パスタとワインの店にて、この日は日本酒の会が行われた。
信州新町の、尾澤酒造さんの十九という銘柄が、
こまつやさんの品書きに載っている。
幾種類、飲みましょうという催しだった。
尾澤さんは、蔵人四人のちいさなお蔵さんで、
お嫁さんが杜氏を務めている。
純米大吟醸で乾杯をして、女性杜氏の話を伺いながら、
前菜とパスタをつまみながら味を利く。
自社培養の秘密の酵母を使った味に、
三年熟成した味、リンゴのような酸味の味と楽しんで、
肉をかじりながら、秋の酒を酌んだ。
貼られたエチケットが印象的で、春の桜、夏の入道雲、
おしゃれで目を引くデザインは、
日本酒に馴染みのうすいかたにも、
興味を持っていただける。
秋の酒二種類には、
それぞれイチョウともみじがあしらわれていた。
造りには、米を無駄にしないのと、
世話になっている農家さんのために、
規格にはずれた米も使っているという。
磨かれた粒を見せてもらったら、
言われなければわからないほどきれいで、
実際、好い味わいの酒になっているのだった。
幸い、今年は米の出来が好いという。
秋深まれば、お蔵さんのかたがたにも
今季の造りのときが近づく。
つくづく御苦労なことと、あらためて思うのだった。
友だち夫婦と
長月 四
喜世栄さんで饅頭を買い、モンマートとみやさんで、
水尾のひやおろしとコノスルの赤を買って出かけた。
友だち夫婦に、
昼からさんまで一杯のお誘いを受けたのだった。
知り合ってから四十三年。
いちばん古い友だちは、結婚して家庭を持ってから、
男やもめの身を案じて、ときどき声をかけてくれる。
高台の住宅街をぶらぶらと行けば、
県立短大の赤い屋根がむこうに見える。友だち宅に着いたら、
庭で、七輪に向き合っているところだった。
火をおこし、きらきらとしたさんまの切り身をのせる。
ビールを飲みながら待っていれば、脂が落ちて、
じゅっと火のいきおいが増す。
曇天の陽気は、庭でのひとときにちょうど好い。
水尾に大信州、長野の酒を酌みながら、
焼きあがった身を食べれば、肉厚で旨い。
ひとり身は野菜不足だからと、
ピーマンに玉ねぎに、かぼちゃに椎茸も焼いてくれる。
草木のすきまから虫の声がしずかにひびき、
九月になると、なんだかさみしいねという。
奥さんがいても、秋のものがなしさはいっしょなのだった。
さんまの次には牛肉と豚肉も出てきて、
至れり尽くせりの宴がうれしい。
友だちは、毎日仕事がいそがしい。
こんなゆっくりとした時間は、至福のひとときというから、
毎日至福に酔っぱらっている身は、
申しわけがないのだった。
途中から芋焼酎に切りかえて、ますます酔いが増す。
締めの焼きおにぎりまでしっかりいただいて、
たっぷりと栄養を摂らせていただき感謝した。

喜世栄さんで饅頭を買い、モンマートとみやさんで、
水尾のひやおろしとコノスルの赤を買って出かけた。
友だち夫婦に、
昼からさんまで一杯のお誘いを受けたのだった。
知り合ってから四十三年。
いちばん古い友だちは、結婚して家庭を持ってから、
男やもめの身を案じて、ときどき声をかけてくれる。
高台の住宅街をぶらぶらと行けば、
県立短大の赤い屋根がむこうに見える。友だち宅に着いたら、
庭で、七輪に向き合っているところだった。
火をおこし、きらきらとしたさんまの切り身をのせる。
ビールを飲みながら待っていれば、脂が落ちて、
じゅっと火のいきおいが増す。
曇天の陽気は、庭でのひとときにちょうど好い。
水尾に大信州、長野の酒を酌みながら、
焼きあがった身を食べれば、肉厚で旨い。
ひとり身は野菜不足だからと、
ピーマンに玉ねぎに、かぼちゃに椎茸も焼いてくれる。
草木のすきまから虫の声がしずかにひびき、
九月になると、なんだかさみしいねという。
奥さんがいても、秋のものがなしさはいっしょなのだった。
さんまの次には牛肉と豚肉も出てきて、
至れり尽くせりの宴がうれしい。
友だちは、毎日仕事がいそがしい。
こんなゆっくりとした時間は、至福のひとときというから、
毎日至福に酔っぱらっている身は、
申しわけがないのだった。
途中から芋焼酎に切りかえて、ますます酔いが増す。
締めの焼きおにぎりまでしっかりいただいて、
たっぷりと栄養を摂らせていただき感謝した。
さんまと満月
長月 三
飲み屋の品書きに、さんまの文字がならんだ。
焼いて、刺身で、一献のひとときは、秋の楽しみなのだった。
近所に住んでいる友だちから、昼酒に誘われた。
宮城の知り合いがさんまを送ってきたという。
そいつをつまみに一杯の算段に、
ワインと日本酒をぶら下げて出かけた。
屋上で、こんがりあぶらののった身をほおばって、
酌み交わす。
秋晴れの空が高い。
町並みを眺めながら酔っていれば、
穏やかな風が心地よい。
昼間の酒がすっかりまわり、帰るなりつぶれた。
夜半に目を覚ましたら、南の空に、
ぽっかり丸い月が浮かんでいる。
酔いざましにキリンの秋味を飲みながら、
仲秋の名月を眺めた。
次の日は、今年三回目のスーパームーンの日だという。
夕方、仕事を終えて外に出たら、
折よく東の山並みから、でかくて黄色い月が顔を出す。
屋根のない飲み屋に陣取って、
高々上がった満月を眺めながら、ワインを飲んだ。
帰り道、洋平君の店に立ち寄って、
大信州を酌みながら、さんまの刺身を突っつく。
一人前四百八十円は、飲み屋の価格としては、
良心的なことだった。
酌み干して、
締めのラーメン屋で塩ラーメンを待っていたら、
声をかけられる。
ずいぶんなつかしい年下の友だちで、
変わらぬ笑顔に、ひさしぶりだねえと挨拶を交わす。
満月のお引き合わせがさいごにあったのは、
うれしいことだった。
雨上がりの朝、ふるい友だちからメールが届いた。
敬老の日の祝日、七輪でさんまを焼いて昼酒はいかが?
まだまださんま日和の日がつづく。

飲み屋の品書きに、さんまの文字がならんだ。
焼いて、刺身で、一献のひとときは、秋の楽しみなのだった。
近所に住んでいる友だちから、昼酒に誘われた。
宮城の知り合いがさんまを送ってきたという。
そいつをつまみに一杯の算段に、
ワインと日本酒をぶら下げて出かけた。
屋上で、こんがりあぶらののった身をほおばって、
酌み交わす。
秋晴れの空が高い。
町並みを眺めながら酔っていれば、
穏やかな風が心地よい。
昼間の酒がすっかりまわり、帰るなりつぶれた。
夜半に目を覚ましたら、南の空に、
ぽっかり丸い月が浮かんでいる。
酔いざましにキリンの秋味を飲みながら、
仲秋の名月を眺めた。
次の日は、今年三回目のスーパームーンの日だという。
夕方、仕事を終えて外に出たら、
折よく東の山並みから、でかくて黄色い月が顔を出す。
屋根のない飲み屋に陣取って、
高々上がった満月を眺めながら、ワインを飲んだ。
帰り道、洋平君の店に立ち寄って、
大信州を酌みながら、さんまの刺身を突っつく。
一人前四百八十円は、飲み屋の価格としては、
良心的なことだった。
酌み干して、
締めのラーメン屋で塩ラーメンを待っていたら、
声をかけられる。
ずいぶんなつかしい年下の友だちで、
変わらぬ笑顔に、ひさしぶりだねえと挨拶を交わす。
満月のお引き合わせがさいごにあったのは、
うれしいことだった。
雨上がりの朝、ふるい友だちからメールが届いた。
敬老の日の祝日、七輪でさんまを焼いて昼酒はいかが?
まだまださんま日和の日がつづく。
上田のねぷた
長月 二
秋めいてきた。
上田へねぷた祭りを観に出かけた。
真田幸村公出陣ねぷたは、今年五回目になるという。
地元の子供たちや企業が作ったねぷたが、
合わせて十基出るという。
上田に暮らす友だち親子と待ち合わせをして、
動き始めたねぷたの列を眺めながら、魚民へ入った。
祭りの夜の居酒屋は、いつもに増していそがしい。
茶髪のおにいさんや、つけまつげの派手なおねえさんが、
ひっきりなしに料理やビールを運んでいる。
腹ごしらえをして表に出れば、大人に子供、
赤いTシャツの集団が力を合わせて、
おおきなねぷたを引いていた。
どれも皆、華やかな絵柄がきれいで、
りっぱなものと惚れ惚れとした。
ねぷたに交じって、甲冑姿のお侍たちが通る。
子供たちのお囃子の屋台が、
まっすぐに澄んだ音色をひびかせて行く。
ふだんひと気のすくない中央の通りも、
見物客であふれ、子供連れの家族やお年寄り、
あちこちにカメラを構える人もいて、
秋のはじめの祭りを楽しんでいた。
真田丸とおおきく描かれたねぷたもあって、
大河ドラマがはじまれば、祭りも一層にぎやかになる。
お茶屋のカフェで抹茶ソフトを食べてから、
友だち親子を見送って駅へ行く。
駅前では、並んだねぷたとたくさんの参加者を前に、
実行委員長が、
みなさんご苦労様でしたと挨拶をしていた。
翌朝の新聞に、
昨夜のねぷたは、過去最高の人出だったと書いてある。
ちいさな城下町の祭りは、なかなかに楽しいのだった。
雨上がりの朝の空気が、ひんやりと肌をなでる。
まわりの里山の緑も、色あせ始めてきた。
秋の色味が深まれば、
上田城跡公園の、見事な欅の黄色を、
眺めに行かなくてはいけないのだった。

秋めいてきた。
上田へねぷた祭りを観に出かけた。
真田幸村公出陣ねぷたは、今年五回目になるという。
地元の子供たちや企業が作ったねぷたが、
合わせて十基出るという。
上田に暮らす友だち親子と待ち合わせをして、
動き始めたねぷたの列を眺めながら、魚民へ入った。
祭りの夜の居酒屋は、いつもに増していそがしい。
茶髪のおにいさんや、つけまつげの派手なおねえさんが、
ひっきりなしに料理やビールを運んでいる。
腹ごしらえをして表に出れば、大人に子供、
赤いTシャツの集団が力を合わせて、
おおきなねぷたを引いていた。
どれも皆、華やかな絵柄がきれいで、
りっぱなものと惚れ惚れとした。
ねぷたに交じって、甲冑姿のお侍たちが通る。
子供たちのお囃子の屋台が、
まっすぐに澄んだ音色をひびかせて行く。
ふだんひと気のすくない中央の通りも、
見物客であふれ、子供連れの家族やお年寄り、
あちこちにカメラを構える人もいて、
秋のはじめの祭りを楽しんでいた。
真田丸とおおきく描かれたねぷたもあって、
大河ドラマがはじまれば、祭りも一層にぎやかになる。
お茶屋のカフェで抹茶ソフトを食べてから、
友だち親子を見送って駅へ行く。
駅前では、並んだねぷたとたくさんの参加者を前に、
実行委員長が、
みなさんご苦労様でしたと挨拶をしていた。
翌朝の新聞に、
昨夜のねぷたは、過去最高の人出だったと書いてある。
ちいさな城下町の祭りは、なかなかに楽しいのだった。
雨上がりの朝の空気が、ひんやりと肌をなでる。
まわりの里山の緑も、色あせ始めてきた。
秋の色味が深まれば、
上田城跡公園の、見事な欅の黄色を、
眺めに行かなくてはいけないのだった。
上田ぶらり
長月 一
上田へ出かけた。
朝いちばん、上田アリオの東宝シネマで、ルパン三世を観る。
お客には、子供たちに交じって、
年配のかたがたの姿も見受けられ、
ルパンの活躍は、幅広く愛されているのだった。
派手なアクションと、黒木メイサの色気を満喫して出れば、
目の前の建設中の文化会館で、
ヘルメット姿のお兄さんたちが、あちこちで作業をしている。
アリオの中の立ち並ぶ飲食店には、
昼どきのお客の姿が多い。ナムコで男の子がひとり、
つまらなそうに釣りのゲームをしていた。
駅前に行ったら、洋品店の前で坊さんがお経を唱えていた。
いつまでたってもお布施をくれそうもない気配に、
あきらめて歩き出し、気の毒になった。
峯村歯科医院から出てきたおじさん二人、
となりの履き物やのおじさんおばさんと、立ち話を始めた。
静岡園の物干し台で、洗濯物が風に揺れている。
その先の時計屋の二階では、
おじさんが物干し台の修理をしていた。
おおきな通りを渡っていくと、
ひとかたまりの行列が目に入り、あいかわらず福昇亭は、
焼きそば目当てのお客で混んでいる。
むかいのカレーのベンガルも、親子がひと組、
席の空くのを待っていた。
朽ち果てた長岡産婦人科医院の前に、
ちいさな公園があった。
すべり台の褪せた色合いが、所在なげにさみしい。
原町の太平庵におちついて、馬肉でビールを飲んでいたら、
上田に暮らす友だち親子がやってきた。
三歳になった息子は、
二か月前に会ったときよりも背が伸びていて、成長が早い。
よくしゃべるようになり、みよしせいかいにゅうどー。
真田十勇士の長い名前も、
かわいい声でそらんじてみせる。
蕎麦を食べて、
茶房丸山でかき氷と抹茶アイスを食べていたら、
さっきの坊さんがやってきた。
今度は茶房のお母さんが、
手早く紙に包んで、お布施を渡したから安心した。
友だち親子にばいばいをして、城跡公園へとむかう。
途中で雨が降ってきて、空気がいちだん涼しくなる。
公園のプールは、
このたび取り壊されて、駐車場になるという。
子供の遊び場がなくなるのはさみしいことと、
雨粒の当たるちいさなプールを眺めた。
雨足のつよくなる中、おじさんたちがビーバーで、
もくもくと、お堀のまわりの草を刈っていた。

上田へ出かけた。
朝いちばん、上田アリオの東宝シネマで、ルパン三世を観る。
お客には、子供たちに交じって、
年配のかたがたの姿も見受けられ、
ルパンの活躍は、幅広く愛されているのだった。
派手なアクションと、黒木メイサの色気を満喫して出れば、
目の前の建設中の文化会館で、
ヘルメット姿のお兄さんたちが、あちこちで作業をしている。
アリオの中の立ち並ぶ飲食店には、
昼どきのお客の姿が多い。ナムコで男の子がひとり、
つまらなそうに釣りのゲームをしていた。
駅前に行ったら、洋品店の前で坊さんがお経を唱えていた。
いつまでたってもお布施をくれそうもない気配に、
あきらめて歩き出し、気の毒になった。
峯村歯科医院から出てきたおじさん二人、
となりの履き物やのおじさんおばさんと、立ち話を始めた。
静岡園の物干し台で、洗濯物が風に揺れている。
その先の時計屋の二階では、
おじさんが物干し台の修理をしていた。
おおきな通りを渡っていくと、
ひとかたまりの行列が目に入り、あいかわらず福昇亭は、
焼きそば目当てのお客で混んでいる。
むかいのカレーのベンガルも、親子がひと組、
席の空くのを待っていた。
朽ち果てた長岡産婦人科医院の前に、
ちいさな公園があった。
すべり台の褪せた色合いが、所在なげにさみしい。
原町の太平庵におちついて、馬肉でビールを飲んでいたら、
上田に暮らす友だち親子がやってきた。
三歳になった息子は、
二か月前に会ったときよりも背が伸びていて、成長が早い。
よくしゃべるようになり、みよしせいかいにゅうどー。
真田十勇士の長い名前も、
かわいい声でそらんじてみせる。
蕎麦を食べて、
茶房丸山でかき氷と抹茶アイスを食べていたら、
さっきの坊さんがやってきた。
今度は茶房のお母さんが、
手早く紙に包んで、お布施を渡したから安心した。
友だち親子にばいばいをして、城跡公園へとむかう。
途中で雨が降ってきて、空気がいちだん涼しくなる。
公園のプールは、
このたび取り壊されて、駐車場になるという。
子供の遊び場がなくなるのはさみしいことと、
雨粒の当たるちいさなプールを眺めた。
雨足のつよくなる中、おじさんたちがビーバーで、
もくもくと、お堀のまわりの草を刈っていた。