お見送りをさせていただき。
2025年02月28日
へこりと at 08:49 | Comments(2)
如月 7
小さな城下町、上田が好きで四年前におんぼろのマンションを
別宅として手に入れた。月に二度か三度訪れているのに、
今年になってまだ一度しか足を運んでいないのだった。
持病の腰痛がひどくて外出する気が萎えているのと、
いつも暮らしているわけではないので、冬になると部屋が
冷え込んでいて、寒くて仕方がないのだった。近年、
上田の市街地に高層マンションが増えた。東京まで一時間の
通勤圏内だし、都内でマンションを買うよりもずっと安い。
けっこう都会のかたも購入しているとうかがえる。
そういう資金のない貧乏な身は、隙間風の入って来るおんぼろ
マンションで震えているのだった。
上田を訪れるきっかけになったのは、地元のSNSを通じて、
上田に暮らす女性と飲み友だちになったことだった。
酒に強く、ぐいぐいテンポ良く呑むかたで、
明るい笑顔を眺めながらのひとときに楽しく酔って、
たいていこちらが先につぶれてしまうのだった。
長野に生まれ育ったかたで、結婚して上田に暮らすようになり、
今は中学生の息子の世話を頑張っている。昼間は仕事、
夕方や休日は息子のサッカーの練習や試合の送り迎えと忙しい。
ここ最近は杯を交わす機会がめっきり減ってしまったけれど、
春が訪れるあたりにまた一献やりたいものだった。
寒い日が続いているけれど、春の城跡公園の桜並木を思い浮か
べれば、気持ちも温かくなることだった。
朝、仕事の準備を終えて新聞を広げたら、お悔やみ覧に目が
留まる。
その友だちのお父さんがお亡くなりになったのだった。
お母さんと一緒に友だちの名が喪主として載っていた。
明日の葬儀は残念ながら仕事が入っていてうかがえない。
夕方、お通夜の席におじゃましてお参りをさせて頂いた。
久しぶりに会った友だちは、思いのほか元気そうでほっとした。
これまた久しぶりに見かけた友だちの息子も、ずいぶんと背が
伸びていて、成長ぶりに驚いた。
御家族や御親族ばかりの席に部外者が混ぜてもらい、なんだか
申しわけがない気分で、ご住職の読経の席に着かせていただいた。
娘さんとお孫さんを見守っていてください。
お父さんに、
気持ちを込めて手を合わせたのだった。
見送りに通夜へと向かう春寒し。
この記事へのコメント
黒いネクタイは頻繁にしめるのに、
白いネクタイはほとんどつけることがなくなってしまった。
そんな年回りになってしまったようです。
しっかりお見送りをしないといけないですね。
白いネクタイはほとんどつけることがなくなってしまった。
そんな年回りになってしまったようです。
しっかりお見送りをしないといけないですね。
Posted by 上穂悠生
at 2025年02月28日 17:02

先日も、上田の馴染みの蕎麦屋の
女将さんが亡くなって、お悔やみに
伺いました。そんなことが多くなってくる歳ですね。
女将さんが亡くなって、お悔やみに
伺いました。そんなことが多くなってくる歳ですね。
Posted by へこりと
at 2025年03月04日 10:02
