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日々を大事に

2019年10月25日

 へこりと at 13:48  | Comments(0)
霜月 3

となりの湯本さんから、いなり寿司を頂いた。
男やもめを気遣って、
ときどき差し入れをくれるのだった。
ふだんまともに食事をしない身には、
御好意がありがたいことだった。
先日、日帰り温泉でひと風呂浴びたあと、
体重を計ってみたら、5キロも減っていた。
この頃どうも疲れやすい。
ときどき立ちくらみがする。
横断歩道をダッシュで渡ると、
とたんにくらくらめまいがする。
すべては栄養不足のせいと合点がいった。
食べ物あふれるご時世に、
栄養不足で倒れたなんてしゃれにならない。
もうすこし、きちんと食べないといけないことだった。
台風19号が来て、
長野県にもあちこちに被害が出た。
台風が来るたびに、
この辺は、高い山々が防いでくれるから安心と、
たかをくくっていた。
実際、いつ通りすぎたのか、
気が付かないときもあるほどだった。
台風19号の当日も、はげしい雨風に、
早々に店じまいをした。
緊張感もなく、
のんびりと風呂で汗を流してから、
夕方の4時前には、
ビールの栓をプシュッと開けている始末だった。
翌朝のニュースで、
大きな被害が出たことを知って、唖然としたのだった。
テレビで被災地の様子を見るたびに、
ふだんの暮らしに戻るには、
ずいぶん時間がかかるとわかる。
台風が去ったあとも雨が降って、
被災者のかたがたの心労を思うと切なくなる。
冴えない気分のまま、あっという間に10月がすぎて、
知らぬ間にまわりの景色も、
秋の彩りへすすんでいる。
米作りをしている知り合いがいる。
良い米ができましたと、
今年もぴかぴかの新米を届けに来てくれた。
晩酌のあとに、軽くお茶碗一杯ほおばれば、
甘みがふくよかで美味しい。
大きな災害があるたびに、当たり前の毎日が、
つくづくありがたいことと思う。
無事な身は、
きちんと食べて、元気に笑顔の日常を。
言い聞かせたのだった。









  


御代田町での写真展へ

2019年10月12日

 へこりと at 13:33  | Comments(0)
神無月 2

御代田町で開かれている、
浅間国際フォトフェスティバル2019へ足を運んだ。
駅を出てゆるやかな坂道をしばらく行くと、
りっぱな町役場のとなりに、
林に囲まれた旧メルシャン美術館がある。
町が試みた写真展には、国内外、
38人の写真家の作品が展示されていた。
立体にした写真や、
大きなパネルで迫ってくる写真に、
映像にして、絶え間なく流している写真やら、
まことに個性あふれる作品の数々を、
少々たじろぎながら眺めた。作品は館内だけでなく、
林の中にも展示されていた。
林から望む浅間山に厚い雲がかかり、
今にも降りだしそうな気配をしている。
中国人の張克純さんの黄河の写真が立っていた。
心の拠りどころとなっている大河は、
悠々とした流れの中に、洪水や、
工場による汚染という、深刻な問題も抱えていた。
そのありのままの姿を、
浅い色彩の、静かな目線で写しだしていた。
大塚千野さんは、
昔の自分の写真に、デジタル加工で今の姿を
重ねてある。もし、あの頃に戻れたら、
子供だったわが身に何を伝えようか。
あるいはなにを伝えてくれるだろうか。
そんな思いを馳せさてくる写真だった。
会場には、地元の小学生の草花の青写真や、
中学生の、
校内の様子を写した作品も並べられ、微笑ましい。
町の人々のポートレートが並んでいた。
子供からお年寄りまでたくさんの笑顔を見ていると、
この町でみんなと暮らしている幸せが、
和やかに伝わってくるのだった。
ここはもうすぐ、御代田町写真美術館として
オープンするという。
それを見据えての、このたびの企画だった。
ちいさな町の大きな企画に、
この先どんな写真展を開いてくれるのか、
今から楽しみなことだった。











  


湯の町で

2019年10月06日

 へこりと at 11:44  | Comments(0)
神無月 1

温泉地、戸倉の町に、こゆりという小体な居酒屋がある。
きれいな女将さんが営んでいて、
ぎょうざやおでんをはじめとした家庭的な品々の味が好く、
酒の品ぞろえも好い。
昨年の春、
戸倉勤めの友だちに連れて行ってもらったのだった。
たまには、いつものなわばりをはずれて飲むのも好い。
飲み仲間のかたがたと、
久しぶりにこゆりさんでと相成った。
夕がた、すこし早めに着いたら、
宴の前のひと風呂へ、白鳥園へむかう。
ひと気のない路地を抜けていくと、
本日の勉学終えた戸倉小学校の子供たちが
にぎやかにすれ違っていった。
白鳥園の館内は、1日の疲れを癒しに来た、
地元のお年寄りでにぎわっていた。
みなさんには、温泉施設は我が家の風呂も同然だから、
湯の扱いも自然にぞんざいになる。
鏡の前で体を洗っていたら、右隣の禿げ頭のじいさんと、
左隣の白髪頭のじいさんのシャワーの湯が、
ばしばしこちらに飛んでくる。
あわてて洗い終えて、ゆっくりと湯ぶねに沈んだ。
程よい温度の柔らかい湯は、体がやさしく温まる。
日々の暮らしに、当たり前のように温泉があるなんて、
なんともうらやましいことだった。
湯から上がり、脱衣所で体重を計ったら、
5キロも軽くなっていた。
酒ばかり飲んでいて、つまみといえば、
豆腐と油揚げくらい。
栄養とってないもんなあ。
そのくせポッコリとビール腹だけは出て、
なんとも情けないことだった。
休息所へ行くと、ふろ上がりの人たちが、
おもいおもいに汗が引くのを待っている。
小柄なおばあさんが、夕方Getを観ながら、
枝豆とフライドポテトで生ビールを飲んでいた。
おっ、やってますね。
独り暮らしなのかな。
こじんまりとしたうしろ姿は、微笑ましくてちょっと切なかった。
生ビールとレモンサワーでのどを潤したら、時刻もちょうどよい。
風呂上がり、夕暮どきの風もさっぱりと心地よい。
こゆりさんへ足早になるのだった。