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一年のおわりに

2012年12月30日

 へこりと at 16:35  | Comments(0)
師走 三

師走、冷えこんだ日がつづく。
さむいですねえ。言い合っているうちに、
今年もすっかりおわりに近づいている。
早々すぎた一年をふりかえれば、季節季節、
気持ちにとまるできごとがあったと思い出す。
夏と冬、ずいぶん世話になったかたを見送った。
お返しらしいこともせぬままに、頭を下げたい気持ちになる。
久しぶりに、めでたい祝いの席に招かれたのは
うれしいことだった。
人とのからみに紆余曲折あった友だちの、
ハレの姿がしみじみとめでたかった。
秋に男の子が生まれた友だちがいる。
音楽好きのお父さんは、叶う音と書いて
きょうと君と名前をつけた。
元気に大きくなりますように。
願いをこめてちいさなコンバースをプレゼントした。
会う機会とだえたと思っていたかたと、思いがけず
再会するひとときにめぐまれた。
男の子を産んで、すっかりお母さんになったその人と
子供の話を聞きながら酒を酌めば、
つくづく人の縁のおもしろさと思う。
婚活をしていたのに、今年は空振りにおわった友だちがいる。
来年こそ好みのお嫁さんが見つかるよう願いたい。
我が身の日々をと思い浮かべれば、
不出来な柄にこれといった変わりもなく、身についたことといえば
初めて飲んだ酒の銘柄ぐらいなもんだった。
気のおけない馴染みの店に出向いては
だらしないヨッパの相手をさせてしまい、
世話になった店のかたがたに,あらためてお詫び申しあげたい。
縁あるかたがたの度量のひろさにささえられ、
こぼし話を聞いてもらったり、心配かけたり迷惑をかけたり。
そんなことを思い出せば、今さらながらにはずかしい。
口数すくなく浮かれずに。しずかに旨き杯かたむけられますよう。
縁を大事におだやかに往けますよう。
辰の年,お世話になりました。
巳の年もよろしくお願いいたします。

  


お見送りをして

2012年12月13日

 へこりと at 16:03  | Comments(2)
師走 二

師走、旅立つ人を見送った。
馴染みのおでん屋の女将さんが逝ったのだった。
八年前、鶴賀のさびれた通り沿いに開いて以来、
ずっと世話になっていた。
足しげく通う常連さんもだんだんと増えて
杯酌み交わす縁も作っていただいた。
女将さんのうらおもてのない柄に、
仕事のなやみ家庭のなやみ、恋のなやみを
聞いてもらうお客さんもいて、
励まされたり諭されたり、道々の節目の打ち明け場所に
なってくれていた。
気持ちのおさまりわるく、はしご酒をくりかえした夜、
ビール一本も飲めぬのに、ふらり立ち寄っては
締めの寄りどころと甘えさせてもらったことも
たびたびのことだった。
四年前、店をほど近い場所に移転したときに
引っ越し休業の合間に、おおきな手術をしたのだった。
退院してすぐに店を再開して、
おでんを煮て、酒を燗につけて、
ときどきだらしのないヨッパに活を入れ、
元気に立ち振る舞っていたのに、去年の終わりに近いころ
体調がおもわしくなくなった。
店を手伝うために、放浪の旅をしていた息子さんがやってきて
いっしょに働いていたものの、
カウンターのすみに座ってお客さんを迎える日が多くなる。
伺うたび、やせていく姿に胸がつんとなるものの
そこにいてくれる笑顔を目にすれば、
いつもの店とくつろいでいた。
冬のはじめ頃から、早い時間に顔を出しても会えない日がつづき、
最後の日は眠ったまま息をひきとっていたという。
亡くなった次の日、お別れパーティーをしますとの連絡に
早めに仕事を終いにして店に出向いた。
すでに店いっぱいの知った顔ぶれの常連さんが
杯を片手に別れの酒を交わしている。
女将さんに手を合わせ、棺の横の遺影を見れば
こんなにふくよかだったのにと、病の日々の重さが
あらためてわかる。
宴のさなかにも、仕事がいそがしくてご無沙汰つづきだった
飲み仲間もつぎつぎとやってきて、
気の置けない方々との出会いの店だったと、つくづくとありがたい。
酔いのいきおいで送る言葉をと、めいめい棺の内側に書き添えれば、
やっぱり、ありがとうございましたのひと言しか思い浮かばない。
通夜も葬式も行なわず、慕っていた馴染みの方々と
にぎやかにさっぱりと。
女将さんにふさわしい見送りかたと思う。
もっとしっかりしなさいよ。
さんざんはっぱをかけられたのに、ついぞしっかりできず、
申しわけなくてせつない。



  


あとひと月

2012年12月02日

 へこりと at 12:02  | Comments(0)
師走 一

師走になるのを待って、里にも雪が降りはじめた。
ひと息に冷え込みが増して、
朝布団から出るのがいちばんの大仕事になる。
訪ねてきた人と、寒くなりましたと言葉を交わせば
今年は一年過ぎるのがことに早く感じたと、
みなさん口々にいう。ほんとうに。
歳をかさねるごとに年のめぐりが早くなり、
ふりかえれば、地に足つかぬ毎日だったと、
この時期になると、毎年おなじため息をついている。
ことに毎晩旨き酒を酌んでは、記憶をなくすこともあった。
一日二十四時間、はっきり意識があるのは二十時間、
そんな日も多々あったから、
一年が早いのも無理からぬことなのだった。
ひとりの気持ちを持て余して馴染みの店に行けば、
忙しいさなかでも声をかけてくれる御主人の好意に
杯がすすみ、顔なじみのお客さんに会って
ひととき相手をしてもらい杯がすすみ、
縁ある方々と変わらず酌み合えたのは
進歩のない年のなかでは、
なによりのことだったかもしれない。
冬の訪れとともに、懇意にしているお蔵さんたちからも、
新酒を造りはじめたと便りがとどいてくる。
今年も何回か、お蔵さんの方々と宴の席をご一緒させてもらい、
造りの苦労話もうかがえた。
体力気力睡眠時間をけずって丹精に造られるのだから、
深酒しすぎず味わって味わって。
そろそろそんなふうにと思いついたのは
ちょっとおそすぎるだろうと、我ながらなさけがないことだった。
外飲み家飲みのあと、茶の間でうたた寝をくりかえしていたら
案の定風邪をひいて、おなかがこわれて関節の節々がいたい。
そんなときにかぎって連夜の予定が入っているから
うまくない。
葛根湯とみみず一風散を飲んでわるくならぬよう。
師走のひと月無事往けますよう。