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酔い越しの夏に

2019年08月27日

 へこりと at 17:02  | Comments(0)
葉月 3

処暑をすぎて、日中の暑さも柔らかくなった。
朝晩、涼しい風が吹くようになり、過ごしやすい。
名残りの蝉の鳴き声が、路地に静かに響いている。
この8月は、あまり飲み屋に出かけなかった。
びんずる祭りの晩と、上田の花火大会の晩、
あとは、三か月にいちど誘われるおおきな宴があって、
りさちゃんとこの開店1周年の飲み会は、
めでたいことだった。
月にいちど、馴染みのおでん屋で日本酒の会がある。
日本酒好きのかたがたが4合瓶を持ち寄って、
飲み比べをする。
精鋭の酒豪ばかりだから、毎回銘酒が勢ぞろい。
今月も、いろんな味を楽しんだ。
この頃うれしいのは、転勤や出産で、
参加者が減る中、20代の若い人たちが
顔を出してくれるようになったことだった。
こちらが若かったころは、今ほど手軽に、
銘酒が手に入るご時世ではなかった。
若いうちから、こんなに旨い酒を飲めて幸せだねえと、
平成生まれの呑み助と酌み交わしている。
先日馴染みの飲み屋へ出かけたら、
ずいぶんとなつかしい銘柄が置いてあった。
先だって、お蔵さんの集まりがあったときに
頂いたとご主人が言う。
30年前、友だち宅で飲んだのだった。
京都の旨い地酒を手土産に、友だち宅を訪ねた。
お母さんの手料理を肴に、
京都のお蔵さんの出来栄えに酔って、
さて、酒が切れた。
台所に頂き物の4合瓶の地元の酒がある。
これを飲もうと封を切ったのが、
目の前の銘柄だった。
飲んでみたら、口に合わない味だった。
ひと口飲んでやめておけばよかった。
しかし酔った勢いで、友だちと丸々1本空にした。
翌朝、ものすごい二日酔いに見舞われた。
早朝から吐き気がおさまらず、視界はくらくらと定まらず、
頭の中をたくさんのこびとがたたいているような、
ガンガンとした頭痛が止まない。
銘柄をえらぶのは大事なことです。
身をもって体験したことだった。
ご主人に頼んで30年ぶりに利かせてもらえば、
期待にたがわず、昔のままの味だった。
この酒を造っているかたも、
昨今の銘酒の数々を、口にしておられることと思う。
どうしてこの味を造っちゃうんですかねえ?
ご主人と首をかしげたのだった。
この頃は、家でも飲み屋でも、好い味ばかりを酌んでいる。
若いころのようにぐいぐい飲める体力もなくなった。
しっかり、しじみ習慣も飲んでいる。
おかげで、ひどい二日酔いをしなくなったのは、
ありがたいことだった。
久しぶりに、遠方の友だちからメールが来て、
あんまり飲みすぎないようにと添えてある。
だらしのない酔っぱらいは、遠く近く、
まわりに心配ばかりかけて、申しわけのないことだった。











  


ハービー・山口写真展へ

2019年08月18日

 へこりと at 12:32  | Comments(0)
葉月 2

小海町高原美術館の,,
ハービー・山口写真展へ出かけた。
小海線の電車にのんびりと揺られ、
松原湖駅で降りる。
美術館までの坂道をぐいぐいと上がっていくと、
空が大きく広がっていく。
厚い雲がゆうゆうと、表情を変えながら流れていた。
ハービー・山口さんは、
国内外の有名なミュージシャンから、
市井の無名の人たちまで、
これまでたくさんの人の姿を
作品に残されている写真家だった。
3年前、たまたまブログが目に留まり、
お名前を存じ上げたのだった。
つづられていたのは、
ロンドンで暮らしていた頃の思い出や、
日々、心に残ったこと。
たとえば、バスの中の運転手と
小さな女の子のやりとりや、
講師をした、高校の写真部の子供たちのこと。
病院で偶然知り合った、入院中の女の子のこと、
一瞬の触れ合いがあったバイク便のことだったり。
読んでいると、温かいまなざしで、
カメラを構えているかたとうかがえた。
第1話で、人の心を清く優しくする写真を撮りたいと
述べられていた。
ブログには毎回ひとつ、ご自身の作品が添えられて、
どれも、その思いが感じれる作品だった。
美術館は入館料が500円と安い。
一部の作品を除いて写真撮影も可という。
そんなところにもこのかたの、
お人柄がうかがえるのだった。
館内には、ロンドン在住時代の、
カルチャー・クラブのボーイ・ジョージの写真や、
代官山にあった、同潤会アパートに暮らす人々の写真。
東日本大震災で被災した、
漁師の若者の,力づよい表情を前にしたら、
鼻の奥がつんとした。
美術館をバックに、
肩の力を抜いた地元の人たちも写っていて、
微笑ましい。
柔らかな雰囲気の、モノクロの作品の数々は、
どこか懐かしさを覚え、人って好いものだよなあと、
しみじみと伝えてくれるのだった。
いちばん最後に、
尾崎豊のはにかんだ笑顔が迎えてくれた。
美術館を出て駅へと戻っていけば、
途中から小雨がぱらついてきた。
小雨の中をゆっくりと歩いていたいような、
そんな余韻の、素敵な写真展だった。






  


上田の花火に

2019年08月07日

 へこりと at 13:13  | Comments(0)
葉月 1

上田へ出かけた。
市立美術館で、上田ゆかりの夭折の画家、
村山槐多の作品展を観て、外へ出れば、
目の前の、上田アリオの広場のあちこちに
シートが敷かれ、人が集まっている。
本日8月5日は,,上田大煙火大会があるのだった。
以前、
上田に暮らすかたと付き合っていたときがあった。
10年ほど前に、初めて連れてきてもらった。
駅の温泉口を出て、
歩いてすぐの千曲川の土手を上がる。
上田ガスの大きなガスタンクを背に川に向かえば、
打ち上げ場所の真正面、特等席と教えてもらった。
それから後も、ひとりで来たり、
飲み仲間と一緒に来たり、
毎年足を運んでいる。
間を置かず、
つぎつぎと花火師さんの冴えた作品が上がり、
夏の花火は、上田ひとつで充分の魅力があるのだった。
今年は、同行した友だちのつてで、
高いビルの屋上から眺めることと相成った。
椅子に座ってビールを飲みながら待てば、
ひゅるひゅるど~んと、いよいよ打ち上げが始まった。
次々と上がる花火を眺めていれば、
なんだかいつもと様子がちがう。
毎年歯切れのいいテンポで、
おおっ!と目を見張る打ち上げがつづくのに、
今年は妙に間延びして、普通の丸い花火がつづく。
昨年こんなんじゃなかったよね?
友だちと首をかしげたのだった。
昨今景気の波が上がらない。
花火の協賛金が少なかったのかなと、
よけいな心配をしてしまった。
そうはいっても、
最後のスターマインは、いつも通りの迫力で、
きっちり花火の夜を締めてくれたのだった。
上田の花火を観終わると、
夏も半分過ぎた気分になる。
昨年亡くなった友だちと、一緒に来たこともあったっけ。
もうすぐお盆。朝いちばんの墓参りを忘れない。