インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 11人
オーナーへメッセージ

古い民家で

2011年04月29日

 へこりと at 12:38  | Comments(4)
卯月 八

西之門町の古い一軒家で雑誌の編集をしている人たちが、
門前暮らしのすすめという企画で
古い空き家に住む人を募ってから
善光寺のまわりで暮らし始めたり、
商売を始める人が増えてきた。
飲食店だったりギャラリーだったり、
知り合いの雑貨の問屋の近くには、
糸屋さんと外人向けの安い宿も出来た。
大きな蔵を改装して、建築家や設計士の方々が
共同で事務所を構えている。
その蔵の一階が、この頃カフェになった。
若い男の人がやっていて、朝の七時から開いているから
仕事の前にときどき珈琲を飲みに寄らせてもらう。
善光寺下の金物屋だった空き家では、このところ
男の子がふたり片づけをしている。
どんな出会いがあるか楽しみですと貼り紙がしてあるから
ここで暮らし始めるのかもしれない。
古いたたずまいのところに若い人たちが住みはじめると
少し町に彩りが出来る。
友だちの知り合いが近頃この近くで店を始めたという。
休みの日、お昼ご飯を食べた腹ごなしに
ぶらぶら足を運んでみた。
酒蔵の前の一本道をまっすぐ西へ行く。
同級生の林部太郎君の家の前を過ぎ、
床屋と一心堂の間の道を下る。
一心堂の前では、女子高生がふたり団子をほおばっていたから
その店は大福も旨いと教えたくなる。
年季の入ったアパートの前を過ぎ、右に入るとそこに
ハンドメイドハウス・野の花さんがあった。
古い民家を改装して店にしてあり、
靴を脱いで中に入れば、手作りのバッグやアクセサリーに、
縫い物が好きな人が喜びそうな、いろんな柄の
布も売っている。
どの品も値段の手ごろなのも良いことで、
飲み仲間のひろみちゃんの誕生日がもうすぐと思い出し、
アクセサリーをひとつ、プレゼントにと求めた。
静かなBGMがかかり、カフェも兼ねているから
散歩のときのひと休みにも具合がいい。
帰り道、大きな通りを歩いていたら、
骨董屋のとなりの児玉印店が、これまた若い女性のやっている
雑貨の店になっていた。
天気の良い日、店めぐりで過ごすのもおもしろい。



  


十九 純米吟醸おりがらみ

2011年04月23日

 へこりと at 16:52  | Comments(4)
卯月 七

今年の十九はいいっすよー。
酒屋のみねむら君がいう。
取り引きをしている尾澤酒造さんの
新酒が出来上がったという。
試飲をした、馴染みの飲み屋の旦那さんからも
十九、旨くて驚きましたとメールが来たから
飲まないわけにはいかない。
梅が満開になり、桜が開花したころに
早速買って酌んでみる。
冬から春にかけての楽しみは、気に入りの酒蔵の
新酒の味を利くことで、県内県外、
付き合いのある酒屋さんに注文したり、
馴染みの飲み屋さんで飲ませてもらったりしている。
尾澤酒造さんは、信州新町の国道沿いに蔵がある。
昔はたくさんの量を造っていた。
今は後を継いだ息子さん夫婦と、蔵人ふたりの四人で
地元の米と水を使い、量より質の小さな造りをしている。
それまで働いていた杜氏さんがいなくなり、
お嫁さんが杜氏になってから、
新しく 十九 という銘柄を立ち上げた。
十九号線沿いに蔵があり、杜氏としてはまだ未成年の
二十歳前という意味からつけたという。
昨年久しぶりに蔵におじゃまして新酒を利かせてもらったら
なめらかな美味しさが印象に残り、
春の新酒、夏の生酒、秋の冷やおろしと楽しませていただいた。
今年最初の十九は、純米吟醸のおりがらみで、
ラベルのデザインもこのたびから新しくなった。
十九の文字の背景に、昔の中国の算木という
計算道具で十九と書いてある。
瓶を振り、おりを混ぜて口に含めば、
新酒らしい刺激を伴って、みずみずしい旨みが感じられ
若干の苦味を残しながらすっと切れてゆく。
昨年よりもさらに洗練された感があり、
その気になれば、すぐに一本空けられる美味しさだった。
ためしに燗にしてみたら、そのまま味の幅が厚くなり、
花冷えの夜は温めてもいける。
これから出てくる他の種類もどんなものか、春の楽しみになる。
尾澤さんの好いところは、安いふつうの酒も手を抜かず
造っていることで、
月末になり、お金がなくてぴーぴーする身には
そんな酒があるのもありがたい。
造りの終盤になるころに、
杜氏さんは階段を踏み外して足を怪我したという。
今季の造りには新しい酵母も使ってみたというから
怪我が治ったあかつきには
造りの話をうかがいながら一献酌み交わしたい。
一緒に買った薄桃色の瓶の純米吟醸は、
春の宴にふさわしい。
このつぎの花見の席に持ってゆく。


  


森の蒸留所

2011年04月22日

 へこりと at 13:07  | Comments(0)
卯月 六

佐藤隆介さんの本を読んでいたら、
今日を精一杯生きただろうか。
手を抜いてはいなかったろうか。
誰かを傷つけはしなかったろうか。
一日を振り返るとき、
ウイスキーほどふさわしい飲み物はないと書いてある。
静かな夜に濃い旨みを口にしていると、
わが身のふがいなさに、ため息をつきたくなることがある。
ユーチューブで元ちとせを聞きながら
オールドパーを舐めていたら、
この声のせつなさが、ウイスキーに合うなあと
しんみりとした気持ちになった。
サントリーの白州は気に入りのウイスキーで、
春の初め、友だち夫婦に付き合ってもらい
蒸留所を訪ねた。
白州蒸留所は標高七百メートルの森の中にある。
受付を済ませて歩いてゆくと、
木々に囲まれた蒸留所の建物が見えてくる。
森は二十五万坪の広さがあって、
年間に五十種類の野鳥が訪れるという。
蒸留所の中を、目もと涼しいお姉さんが案内をしてくれる。
大きな木桶の中で麦汁が発酵をしている。
仕込みには南アルプスの天然水を使っている。
発酵した麦汁は、鈍い輝きを放つ銅製のポットスチルで蒸留される。
いろいろな形のポットスチルが並び、
その形によって、それぞれ違った味になるという。
貯蔵庫にはたくさんの樽が並び、
ゆっくりとウイスキーが熟成をしている。
蒸留所が出来たのは1973年のことで、見上げれば
その当時の樽も熟成をつづけていた。
熟成している間に、森の空気がゆっくりと入り込み、
白州には木々の香りの味わいがある。
ハイボールと水割りを試飲させていただいて、
土産コーナーで、うす緑色の薄口のグラスを買った。
陽気がよくなって、このグラスで
ハイボールを飲むのが楽しみとなる。
白州には、10年、12年、18年、25年と
熟成の違う四種類がある。
新緑を迎える季節には、10年の爽やかな味がよく似合う。




  


ぼっちりと

2011年04月17日

 へこりと at 11:44  | Comments(2)
卯月 五

べじた坊さんでひとり飲みをした。
昨年初めて伺ってから、すっかり馴染みの店になっている。
つまみの量が多くて美味しいことと、
酒の品揃えが充実していることと、
店を営む殿方二人の、歯に衣着せぬ裏話がおもしろく、
足を運んでいる。
駅前に用事があり、出かけたついでに寄った。
扉を開ければ本日の口開けさんで、
カウンターでゆっくりと腰をすえると気合いが入る。
いつものように黒ラベルを頼み、カウンター越しに
石垣さんと乾杯をする。
小鉢ふたつ出てくれば、独活のきんぴらとホタルイカで
飲み屋のお通しにも春を感じることとなる。
山菜の天ぷらも頼み、日本酒を酌む。
この頃は友だちの酒屋の峯村君からも
酒を仕入れてくれるのがありがたい。
宮城の新澤さんの愛宕の松の本醸造を口にすれば
一升二千円のわりにずいぶんと旨い。
余震のたびに傾いている蔵での出荷作業も
もうじき終わるという。
新しく蔵を建て直すのか、廃業している他の蔵を借りるのか、
前途多難な先行きに、
すこしづつ道行きが見えてくれることを願う。
この店の数ある銘柄の中での気に入りは
土佐しらぎくで、この日は特別純米の ぼっちり を頂いた。
しらぎくに共通の、程よい軽さの澄んだ味わいが今夜も美味しい。
これで一升二千三百円というから、
これもまた安くて旨いと感心をした。
三重の酒に切り替えて筍のさしみを頼めば、
今夜の肴は春づくしとなり杯がすすむ。
ふたたび ぼっちりに戻り、石垣さんと酌み交わす。
ぼっちりは、土佐の言葉でちょうど良いという意味だという。
おだやかな丸い響きがいい。
ぼっちりとした暮らしをしています。
そんな隠居じいさんのような台詞が言える心もちで
春を過ごしたい。


べじた坊さんのホームページから拝借。

  


桜が開いて

2011年04月14日

 へこりと at 12:35  | Comments(0)
卯月 四

蕎麦屋の御主人ふたりと薬屋の旦那と
花屋の旦那と、ふつうの食堂きらくさんで酌み交わした。
食堂なのに日本酒の品揃えがすばらしいから
休日の昼時に行けば、焼きそばをつまみに
飲まなくてはいけない。
たまには夜にゆっくりやりたいものと、
宴の席に決めたのだった。
奥の入れ込みに座って、お世話様ですの乾杯をする。
みんな善光寺界隈で商売をしてるから、
震災の後の不景気ぶりに話がいく。
蕎麦屋さんは、お客さんが例年の五割ほどに戻ってきたという。
先日の土曜日と日曜日はずいぶんいそがしかった。
ミスターチルドレンの二日続けてのコンサートに
ジャニーズのアイドルのコンサートがあったから
そのお客さんが善光寺にも来たという。
ミスチル、毎週来てくれないかなあ。
蕎麦屋のよういちろうさんがつぶやいた。
城山公園の桜もだいぶ蕾が膨らんできた。
まだ蕾もかたかった頃、朝の散歩をしていたら
桜の木の下に、場所取りのブルーシートが敷いてあり、
ずいぶん気の早い花見客もいるものとあきれた。
家の前の路地の階段を上がった神社に
二本の桜の木がある。
暖かい日がつづき、花が開きはじめた。
以前神社の隣に銭湯があった。
営業をやめて、大正時代からの古い建物がこわされて
更地になったら
ぽっかり陽当たりが良くなって、それ以来
この辺の木々のなかでいちばん最初に花を開かせては
毎年目を楽しませてくれるのだった。
気持ちのふさいだ今年の春も、花を待つ気持ちは変わらない。
きらくさんでは、秋田の酒を飲んだ。
目の前のご馳走をたいらげて、
でも焼きそばも食べたいねと、大盛りひとつ注文して
みんなで突っついた。
きらくさんの焼きそばは、口にしつこくなくさっぱりと食べられる。
気の合う仲間と好く食べてよく飲んで、
にこにこと桜の季節を往きたいものと思う。




  


正義の味方

2011年04月13日

 へこりと at 14:35  | Comments(0)
卯月 三

ときどきユーチューブで歌を聴いている。
検索すると、中学生の時に好んで聴いていた
あまり有名じゃない曲もひっかかってくれるから
まことに便利なものだと思う。
いちばん好く聴いているのは玉置浩二さんで、
気持ちに染みる曲が多い。
馴染みの飲み屋のいいだの御主人は、バンドを組んでいる。
演奏するのはもっぱら玉置浩二の曲ばかりで
この人の歌っているのを聴いてから、
気に入りになったのだった。
休日の夕方、ふらりと飲みに出かけたら、
今度の日曜日にライブをやるという。
それはいい、足を運びますと約束した。
日曜日、まだ陽の残る夕方の町を南下して、
ライブハウスに行った。
店の常連さんが大勢来ていて、ビールを飲みながら
始まるのを待っている。
控え室に顔を出して、御主人と仲間の方々に
がんばってと声をかけたら、浮かない顔で、
じつは風邪をひいちゃいましてと言う。
たしかに声がかすれていて、今日のライブは
なかなかにしんどい。
演奏が始まればいつもの声が出ず、
くるしそうに唄っている。
今日は森進一が合うんじゃないか。
そう思わせるほどのハスキーな声だった。
唄ったのは全部で五曲。
最後の正義の味方まで唄いきり、何とか終わる。
その後はいいだへ河岸を変え、打ち上げの宴となった。
録画した、終わったばかりのライブの様子を見ながら
ひどい声だ。音もずれている。今まででいちばんだめかも。
なんだか見ていて切なくなる。
常連さんにバンドの方々、口々に言い合って
ビールを飲んでいる。
バンドは四十歳代から五十歳代のおじさん五人で組んでいる。
昨年、オヤジバンドコンテストに出たものの、
見事予選で敗退した。
みんな年のわりに若く、おじさんに見えないのが原因かもしれない。
五月の連休には毎年新潟でライブをやっている。
体調管理気をつけて、今度は美声で唄っていただきたい。
早く宴を切り上げて、休ませてあげればいいのに
いつものペースで長居をしてしまい、申しわけなかったと反省した。


正義の味方  


元気に春を

2011年04月06日

 へこりと at 16:02  | Comments(0)
卯月 二

今年の花粉は威勢がいい。
昨年はずいぶんと少なく、薬を飲まなくても
平気でいられた。
今年は昨年の分もまとめて舞っているいきおいで、
目のぐずぐずも鼻のぐずぐずもひどい。
天気が良くても花粉が舞い込むから
部屋の窓を開けられない。
かゆい目を赤くしていれば、
きまって飲みすぎですかと聞かれるのもなさけない。
それでも四月になって、陽気の良い日がつづけば
外を歩きまわりたい。
薬を飲んでマスクをして、アイボンで目を洗いながら
近場の春を楽しみたい。
善光寺に観光客の姿が少ない。
仲見世の通りを歩いていても、土産物屋に人影がなく
がらんとしている。
蕎麦屋に入り、ビールを飲みながら
人が歩いていないねえと旦那さんに言えば、
今日はまだ多い方ですと返事が返ってきて、
これで多いというのでは、震災の影響がまだ尾をひいている。
城山公園にぼちぼち花見小屋が建てられ始めた。
この様子では、花見客はいかがなものか。
地震の後、この界隈の飲み屋さんも、
予約のキャンセルが相次いだという。
送迎会のかきいれどきにかきいれにならぬのは痛い。
長野マラソンも中止になったから、
旅館やホテルの営業にもひびく。
訪ねてきたセブンイレブンの店長は、
品物が入らない日がつづき、
商品の確保に懸命になっている。
町に元気がなくなって、今年一年はきびしい年になると
顔をひきしめている。
被災地の酒蔵の新澤さんが、
被害を逃れた商品の出荷を始めたという。
御家族を亡くされた蔵人もいて、
蔵の改修も大きなお金がいることとなり、
心労尽きない中、力を合わせて仕事を再開した。
東京の知事さんは、
酒なんか飲んでいる場合じゃないと、花見の自粛を求めたという。
傾いた蔵の中でヘルメットを被り、酒を搾っている蔵の方々の姿を
思い浮かべれば、
酒飲みの身としては、飲まずにいられるわけがない。
飲んだお酒の売り上げが少しでも役に立っていただけたら。
ちんやりせずに元気を出して笑顔を出して。
梅を愛で、桜を愛でて春の酒を酌み。
応援をつづけたい。














はせがわ酒店さんのブログから拝借。

ハナサケ!ニッポン!

ハナサケ!ニッポン!






  


アナログな性分で

2011年04月05日

 へこりと at 17:43  | Comments(0)
卯月 一

気分を換えるために物を買いたい。
春はそんな季節になる。
馴染みの蕎麦屋のよういちろうさんが、
車を買い換えた。
これまでは小さなプジョーに乗っていた。
図太い音を立てて黄色のプジョーが走ってくると
すぐにわかる。
大きな体格の人だから、いかにも窮屈そうで
窓ガラスから見える顔がやたらとでかい。
このたびはスカイラインのGT-Rに換えたから
体格に合った大きな車になってまずはめでたい。
プジョーもまだ車庫に残っていて、
四十万円で売りたいんですけど、買い手が見つからないと
ぼやいている。
携帯電話のホームページを見ていたら、気になる携帯電話を見つけた。
一万五千台の限定販売で、三月下旬に発売と知らせている。
少々横幅の広いのが気になるものの、
長く使えそうな気がして、電話会社に勤める知り合いに頼んで
予約をしてもらう。
発売当日の昼どき、行きつけの食堂で焼きそばを食べていたら
電話が鳴る。
予約できましたとの知らせによろこんだら
最後につまづいた。
支払いはクレジットカードでのみ受け付けますと言われ絶句した。
クレジットカードというものを、持ったこともなければ使ったこともない。
人に話すとたいてい、今どき珍しいと言われる。
現金で買えないものか問い合わせてくれたものの、
申しわけなさそうな、無理でしたとの返事に
了解です。このたびは縁がなかったということで。
いさぎよくあきらめた。
出かけるときはいつも手ぶらで出かけている。
お金はポケットに突っ込んで、携帯電話は首からぶら下げている。
財布も持たないから、カードも持たない。
クレジットカードがなくても、日銭稼ぎのその日暮らしの身は
特に困ることがない。
今どきの当たりまえ事に乗り遅れている。
アイポッドはいまだにそのしくみがわからない。
パソコンを使ってはいるものの、買い物をしたり
ブログを書いたり覗いたり。
それ以外の使い方はさっぱりと知らない。
需要を増やすために、このごろは簡単操作の
子供向けのパソコンも売っていると聞いた。
それで充分だとよくよく思う。
次の週、携帯電話の店に行き、
二番目に気になった機種を買った。
落ち着いた色合いがなかなかに好い。
スマートフォンにもしっかり乗り遅れている。