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今年のおわりに

2014年12月30日

 へこりと at 15:15  | Comments(4)
師走 八

今年ももうすぐおわりとなる。年明けからこんにちまで、
春夏秋冬、災害に見舞われた信州だった。
友だちのブログを覗いたら、今朝の気温は-12度とあり、
きれいな雪の結晶の写真が載っていた。
雪かきをして、朝ごはんを食べてまた雪かき。
元気に朝をむかえられること、
あったかい味噌汁の朝ごはんが食べられること、
なによりのことだなあという。
ほんとうに。
あたりまえの日々を過ごせることの有り難さを、
あらためて実感した一年だった。
春のはじめに、若い知り合いが逝ってしまった。
花の季節、ひとりで桜や菜の花を見ていると思いだされ、
ずいぶんせつなかったものだった。
それでも、春の夜桜に夏の花火、秋の紅葉に、
まだ雪浅いころの温泉と、
常づねのかたにひさしぶりのかた、
初めてのかたにもお会いして
楽しい宴のひとときをご一緒させていただいた。
離れて暮らす娘がいる。今年結婚をして、
秋に女の子を産んだ。娘はお母さんになり、
こちらはおじいさんになってしまった。
生まれた子には、太陽の陽と書いて、はる という名前を付けた。
陽のひかりのように、明るくあたたかな柄に育っていただきたい。
あいかわらず、後悔しても反省をしない身は、
今年もおなじあやまちをくりかえしていた。
中途半端に気持ちと体をうごかさぬこと。
来年は大丈夫かいなとため息が出る。
だらしのないヨッパに、懲りずに付き合ってくれて
ありがとうございました。
未の年も、みなさんと笑顔で酌み交わせますよう。
好い年をお迎えください。



  


栃木、相良酒造さん

2014年12月29日

 へこりと at 16:19  | Comments(0)
師走 七

師走下旬、同業の友だち二人と我が家で忘年会をした。
仕事に対する構え方はちがうものの、
蕎麦屋と飲み屋と酒の味に関しては、実に気持ちが通じ合う。
折よく、利いてもらいたい銘柄が冷蔵庫にあるのだった。
遠くの町で酒屋を営む友だちが、
取引をしている、栃木の相良酒造さんの新酒を送ってきてくれた。
家族で営むちいさなお蔵で、お兄さんが営業を、
娘さんが造りの跡を継いでいる。
朝日栄といい、新年を迎えるのにふさわしい、
めでたい銘柄なのだった。
しぼりたての原酒と特別純米の二本、
酔う前に三人で利いてみる。
しぼりたては、原酒の濃い旨みがあるものの、
十八度のアルコールのわりには飲みやすい。
切れは、あと味がゆるゆると口にのこる。
特別純米は、十四度と低いアルコールのせいか、
口あたりが軽い。
ほどよい酸の旨みが、かすかな個性的な含み香とともに、
これまたゆっくり口にのこる。
テレビでは、全日本フィギアの、女子のフリーを映していた。
浅田真央のような華やかさではない。
鈴木明子のような、ほっとする感じの味わいなのだった。
朝日栄のあとに、くどき上手を空けて、澤屋まつもとへといった。
合間にチェイサーでスパークリングワインを二本に赤を二本、
麦焼酎のお湯割りにくつろいで、
帰る二人を見送った。
夜半、グラスと器を片付けながら思いつく。
燗がいいのではないか。
冷蔵庫にしまったばかりの朝日栄の二本を、
引っ張り出して温めた。
ゆるやかだった輪郭の角が立ち、
冷やや常温で酌むよりも、酸の旨みがぱっと冴えた。
鈴木明子、そう来ましたか。
兄妹で力を合わせるちいさなお蔵のこれからが
飲兵衛の楽しみに加わってしまうのだった。





  


クリスマスになると

2014年12月24日

 へこりと at 16:31  | Comments(0)
師走 六

天皇誕生日、さっぱりと晴れて気持ちが好い。
夕方、宴の席に出かけた。
その前にと思いついて、駅前のデパートに行った。
地下の食品売り場は、威勢のいい、
お兄さんやおじさんの呼び込みの声がひびき、
クリスマスの買い物客で混みあっている。
酒売り場で思案して、秋田と島根の酒を一本づつ買いもとめた。
今夜お会いするかたに、先日心づかいをいただいた。
そのお礼なのだった。
ワインを買うおじさんに、ウイスキーを買っていくアベックに、
クリスマスの酔いをもとめるお客が、
つぎつぎとレジに並んでくる。
この頃は、すっかりクリスマスにも縁がない。
縁がないのに、毎晩クリスマスか正月かというように、
めでたく酔っぱらっている。
だらだら惰性のようにめりはりがなく、
もうすこし、ハレとケの区別をしなければいけないのだった。
子供のころ、クリスマスを家族で過ごした記憶がない。
酒飲みの父は、毎晩飲み屋に通っていた。
クリスマスだから、子供にケーキを買ってゆく。
そんなことを、米粒ほども思わない酔っ払いだった。
母も仕事がいそがしかったから、
特別にごちそうを作るひまもなく、
今ほどケーキ屋があちこちにあるわけではなかったから、
買いに行くのも面倒だった。
それでもありがたいことに、毎年美味しいケーキにありつけた。
母のふるい友だちのおじさんが、
きまって買ってきてくれたのだった。
奥さんとの間に子供のいないかただった。
ときどきご飯を食べに連れて行ってくれたり、
誕生日には野球のグローブやボールなど、
プレゼントもいただいて、ずいぶんかわいがってもらった。
何年も、我が子のように好くしてくれたのに、
養子にくれないかとお願いして、母の怒りを買ってしまった。
それ以来出入りをことわったという話は、
ずいぶんあとになって聞かされた。
あんなに世話になったのだから、
訪ねていくなり、電話をすればよかった。
中学生になり、部活や勉強にかまけて、
来なくなったことも気に留めない、薄情な子供だった。
今もたいして変わらぬ柄は、養子にしなくて正解でした。
思いだすたびに言い訳めいている。





  


ひと冬養生

2014年12月20日

 へこりと at 11:20  | Comments(4)
師走 五

整骨院を営んでいる友だちがいて、
ここ二週間ほど世話になっている。
先月の末に左のひざを痛めた。
湿布を貼っておけば大丈夫と、たかをくくっていたら、
腫れも引かずに痛みも増してきた。
診てもらったら、お皿と靭帯を痛めてるねえ。
これは時間がかかるねえと、さっぱりと言われてしまった。
朝の七時に伺って、電気を当ててマッサージをしてもらい、
薬を塗って包帯を巻いてもらう。寒さがきびしくなって、
常連のおじいさんやおばあさんも来るのがおそい。
仕事前、待たずに診てもらうのはありがたいことだった。
毎朝通ってくる中学生がいて、
部活で怪我した足を治療してもらっている。
あのころは、すぐに治ったものだったなあ。
病気をしても怪我をしても、治るのがおそくなった。
つくづく寄る年なみには勝てないのだった。
師走のなか日、空気がぐんと冷え込んで、ざんざんと雪が降った。
早朝、となりの家の奥さんの雪かきの音にあおられて、
布団から這い出た。窓から見上げれば、
冴えばえとした空に、くっきりするどい有明の月が浮かんでいた。
雪かきをつづけていたら、すこしひざが重たくなってくる。
おまけに、知らずにかばっていたせいか、
ふくらはぎと腰も張ってきてなさけない。
ひと冬養生かなの気分になった。
毎年師走になると、忘年会つづきの散財つづきになる。
怪我もしているしと言い聞かせて、
今月は自重しているのだった。
折よく、近所のかたに大根をたくさんいただいた。
ほどなく別のかたから里芋をたくさんいただいた。
毎日煮てはつまみにして、家飲みをしている。
そうはいっても、来週から月末に、四つ予定が入っている。
酔ってころんで怪我を悪化させぬよう、
よくよく気を付けなくてはいけないのだった。



  


今年もおわりが見えてきて

2014年12月17日

 へこりと at 14:44  | Comments(0)
師走 四

休日、お歳暮を求めて、駅前のデパートへ出かけた。
ついでに、新しくなった、駅ビルのMIDORIを覗いてみた。
十時の開店に合わせて入ったら、
あちこちのテナントのおねえさんたちに、
おはようございますと挨拶をされてこそばゆい。
二階から四階までひとまわり、
東急ハンズがあって、若い人向けの、おしゃれな服の店が並ぶ。
着物のやまとは、さかんに造っている最中だった。
あまり縁がなさそうと早々に合点して、
丸山珈琲でひと休みをする。
酸味の効いた銘柄を飲みながら眺めれば、
カウンターの向こうで、黒いベストに黒縁めがねのおにいさんが、
つぎつぎとサイフォンを操って、コーヒーを淹れている。
みごとな手さばきに見惚れていたら、目が合って、にこっとされた。
爽やかな笑顔は、じきに女性のファンが増えるとわかる。
おじいさんがひとり入ってきて、
メニューを見たかと思ったら、すぐに出ていった。
年金暮らしの身に、
コーヒー一杯六百円は、高かったのかもしれない。
東急で、東の町に暮らす友だちのために、海老せんべいを買い、
戻ってくれば、ちょうど昼酒の昼どきとなる。
今日はワインの気分ですと、こまつやさんへ伺った。
ハンバーグをつまみに、白を三杯に赤を二杯。
御主人や奥さんと言葉を交わしながら、
雪のちらつく通りを眺めながら、ゆっくりとくつろいだ。
ほどよい酔いで昼寝をしていたら、
クロネコさんが荷物を持ってきた。
南の町に暮らす友だちの気遣いは、
諏訪のお蔵の真澄のあらばしりと、
お蔵とコラボの、丸山珈琲のコーヒーと、
今日は丸山珈琲に縁がある。
夕方、こまつやさんの、
かぼちゃのサラダと野菜のマリネをつまみに利いてみれば、
ひさしぶりのあらばしりは、
以前より、きめの細かい旨みが好かった。
ひんぱんに会う、近くの友だちに、
なかなか会えない遠くの友だちに、
居心地好い、馴染みの店のかたがたに、
今年も気持ちを向けていただいた。
一年のおわりが近くなり、あらためて思い出すのだった。




  


おでん屋ひろびろで

2014年12月11日

 へこりと at 16:30  | Comments(2)
師走 三

十二月八日、おでん屋のひろびろへ出かけた。
戸を開けたら、常連さんがすでにひとり、杯をかたむけている。
奥の部屋の、女将さんの遺影に香を炊き、手を合わせた。
常連さんと、跡を継いだ息子さんと、
思い出話をしながら酌み交わしていれば、
馴染みの顔ぶれが、ぽつりぽつりと集まってくる。
三回忌の命日なのだった。
店が出来て間もない頃から通っている。
居心地の好い女将さんの人柄に甘え、
だらだら酔っぱらったり、
千鳥足で、おそい時間に押しかけたこともあった。
たよりにしていたのは我が身だけでなく、若い子が、
仕事や、恋愛の悩みを相談していたこともたびたびだった。
我を張ったり、道理のはずれた客は、
ぴしりと出入り禁止にしていた。
節操のないヨッパの身を、いつも迎えてくれたのは、
ありがたいことなのだった。
店を開いて四年目に、今の場所に引っ越した。
そののち体調をくずしてしまい、
手助けに来た息子さんが厨房に入るようになる。
痩せた体で座っている姿を見るたびに、
せつない気分になった。。
ひろびろは、開業してちょうど十年になる。
女将さんから息子さんに代が変わり、
お客の顔ぶれも、
来なくなったかたに、来るようになったかたと変わった。
それでも居心地の好さが変わらないのは
なによりのことだった。
手紙の整理をしていたら、
ずいぶん前に、女将さんに頂いた手紙があった。
ひさしぶりに読んだら、
御自身や、人との絡みに屈託があった頃と思い出す。
ひろびろのことでいっぱい心配させてごめんなさい。
でもこれからもたよりにしていろいろ話してしまうと思います。
うっとおしいかもしれませんがお願いします。
こんな出来そこないの身でも、あてにしてくれてたと思えば、
今でも鼻の奥がつんとする。
相変わらずだらしなく酔ってます。
息子さんに、つまらん下ネタ話の相手をさせてます。
あきれた笑い顔もなつかしい。




  


野沢温泉で

2014年12月09日

 へこりと at 14:15  | Comments(0)
師走 二

飲み仲間のおじさんたちと、野沢温泉へ出かけた。
飯山を過ぎて村に入ったら、道路の両脇に、雪が高々積もっていて、
すっかり雪国の様相になっている。
宿に荷をおろしたら、さっそく大湯へと向かう。
スキー場が開く前の村内は、まだお客もすくない。
野沢温泉には十三の外湯があって、どこも熱い。
大湯には、熱い湯とぬるい湯の二つの浴槽がある。
ぬるいほうに浸かっても、ぜんぜんぬるくない。
平気な顔の地元のおじさんに混ざって、芯まで体を温めた。
大湯の前に地ビールバーがあるから、
四種類の味比べをしながら、のどをうるおした。
ひと息ついたら、宿のとなりの萬里さんで、
ジンギスカンをつまみに、今年もお世話様でしたの宴となる。
愛想の好い御主人の店は、肉の切り方が大ざっぱで好い。
燗酒を頼めば、じもとの光北正宗と、これも好い。
程よく酔ったら、横落の湯でふたたび体を温めた。
上がって外へと出たら、ぼんやりとした満月が、
冷え込んだ空に浮かんでいた。
歩いてすぐの治作さんではしご酒をする。
こちらも愛想の好い御主人で、
お通しの煮物が、味がよく染みていて旨い。
燗酒を頼んだら、これまた北光正宗で、
地元の酒を愛する店がつづいて好いことだった。
熊の手洗い湯と上寺湯に浸かり、
すっかり温泉街の夜を、湯と酒で満喫したのだった。
村人みんなが顔見知り、それほどのちいさな村に、
豊富に湯の沸く温泉と、気軽に飲める店がある。
雪と寒さのことも忘れて、長居をしたくなってしまった。


  


進歩のないまま

2014年12月03日

 へこりと at 15:42  | Comments(0)
師走 一

師走になり、あとひと月の午の年となる。
朝からさっぱり晴れた日は、
冴えばえとした空気に気持ちが好い。
初雪ももうすぐのことと、空を眺めている。
仕事場と住まいの大掃除を、すこしづつ進めている。
一日一か所、まとめてやるよりも、丁寧に磨けるのが好い。
手描きのカレンダーを、親しいかたにさし上げている。
いつも際になってあわてて作っているから、
今年は秋のうちから手掛けて、早めに仕上げた。
仕事の合間に、年賀状も書きはじめた。
毎年、知り合いの印刷屋さんに注文を出していた。
ところが、しばらく縁遠くなりますと、
お詫びのメールが届いたのだった。
縁遠くなるのに注文を出すのは、
返って恐縮させることになる。
思案してこのたびは、近所に暮らす友だちの、
プリンターの世話になった。
一年の終いの用事をしながら思い出せば、
何日も、車が立ち往生した大雪に、
家を軽々こわした土石流に、
たくさんの犠牲者を出した御嶽山の噴火に、
今回の地震と、命にかかわる災害がつづいた。
気楽に日々を過ごせる有り難さを、
あらためて感じたのだった。それなのに、
今年も、浮かれた暮らしぶりだったとため息が出る。
連夜の不摂生で散財をし過ぎたり、
慣れと勘ちがいと思い込みで、
人の絡みで、いらぬことを言いすぎた。
ぽちぽちと、忘年会の誘いも入ってきた。
せめて締めの宴のときだけは、好意の縁のかたがたと、
腰の据わったひととき過ごすよう、肝に命じるのだった。