ロートレック展へ。
2025年03月07日
へこりと at 09:26 | Comments(0)
弥生 2
松本へ出かけた。
市立美術館でフランスの画家、ロートレックの
個展が開かれているのだった。子供の頃から絵画鑑賞が好き
だった。高校を卒業して、横浜に四年間暮らしていたことが
ある。本を買いに有隣堂へ行ったときに、たまたま目にした
フランスの画家、コローの画集を手に取ったのがきっかけ
だった。透明感のある作風に惹かれ、そこからいろんな画家に
興味が向くようになった。都会がありがたいのは、頻繁に
あちこちの美術館やデパートの会場で、いろんなかたの作品を
目にする機会があることだった。
企画展が開くたびに足を運んでいた。
コローにユトリロにターナーにロートレックが特に気に入りだった。
長野に戻って来てからも、二十代の頃は、ときどき東京の美術館に
足を運んでいたものの、仕事が忙しくなったり、家庭を持ったり
家庭を捨てたり、あれこれ身の回りのことに気を取られ、遠くの
美術館に行く気も失せていた。
それでも近年ありがたいのは、長野に上田に松本と、近場の
美術館でもたびたび好い企画展を開いてくれることだった。
それぞれの美術館にセンスの良い学芸員さんがいて、楽しませて
くれるのだった。
松本に着いた夕方、東横インに向かっていくと、松本パルコの
入り口に、「40年間ありがとうございました」の幕があった。
長年、若者のファッションを引っ張ってきた松本パルコと、
老舗のデパート、井上の相次いでの閉店が決まり、松本は寂しい
ことになっている。
チェックインを済ませたら四柱神社に行って、松本の町が平和で
ありますようにお参りをした。その足ですぐ近くの居酒屋、「深酒」
におじゃました。この店に来るのは四回目。どうやら女将さんや
旦那さんに顔を覚えていただいたようで、カウンター越しにはじめて
世間話を交わしていただいた。ヒラメの昆布締めと出汁の優しい
おでんで、県内外、あちこちの銘酒を味わったのだった。
翌朝、市立美術館へ行けば、いつものように入り口の、草間彌生の
派手なオブジェが迎えてくれる。
ロートレック展では、パリの町に生きた歌手や芸人に娼婦を
描いた作品がずらっと並んでいた。以前拝見したのはおそらく
四十年ほど前のこと。場所は高島屋デパートの会場だったっけ。
再度覚えのある作品に触れることが出来て、嬉しいことだった。
春寒し派手なオブジェの美術館。