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袋町まで

2020年09月22日

 へこりと at 09:56  | Comments(0)
長月 3

平日の夕方、
新幹線に乗って上田へ出かけた。
チーかまをつまみに
缶酎ハイ一本飲み干すと、
城跡公園の櫓が見えてくる。
上田もコロナの感染者が相次いで、
町が沈んでいるという。
飲み屋の集まる袋町はいかばかりか、
気になったのだった。
袋町といえば、たてよこの小路に、
昔ながらの飲み屋やスナックの灯りがつづき、
いまだ昭和の風情が残っている。
まことに気持ちの落ちつく処なのだった。
間口のせまい店が、
それこそ肩寄せあうようにくっついているから、
どこぞで感染者が出たとなれば、大変なことになる。
感染者が増えてから、しばらく営業自粛を
していたという。
駅を出て上がっていけば、
袋町の入り口に高市神社がある。
早く活気が戻りますよう、よくよく手を合わせた。
すぐ横の靴のムラタは、6月をもって閉店の
知らせが貼ってあった。
神様がとなりにいても、商いをつづけるのは
きびしいご時世なのだった。
袋町で、唯一馴染みの焼き鳥やまちゃんは、
先日上田の友だちが、閉店したと教えてくれた。
小路を入って店先に立てば、
しばらく休業しますと貼ってあって、
引き戸のすきまにいく枚か、
ちらしが挟んだままになっていた。
さつま白波のボトルは、
まだずいぶん残っていたっけ。
ちょいと渋めの、愛想の好いご主人は
どうしていることか。お顔を思い出してしまった。
ひと気のない小路をうろうろすれば、
営業している店もあれば、まだ休んでいる店もある。
開いていても、いちげんさんお断りと、
用心している店もあった。
自家焙煎珈琲のコロナの明るい看板を見たら、
いちども入ったことがないくせに、
なんだかしみじみとほっとした。
ぶらぶらと駅前まで戻ってから、
幸村さんのカウンターに落ちつく。
秋が深まってきたら、
もう少し、お客さんに出てきてもらいたい。
ごぼうのから揚げで、ひやおろしを飲みながら、
ご主人の台詞にうなづいたのだった。







  


隠退つづきに

2020年09月12日

 へこりと at 11:52  | Comments(0)
長月 2

朝、散歩をしていたら、
近所の床屋の貼り紙に目が留まる。
けがをして仕事ができなくなりました。
長い間ありがとうございましたと、
店じまいの知らせだった。
しばらくした夕方どき、
ふたたび店の前を通ったら、
ご主人と奥さんが後片付けをしていた。
老いたご主人の丸い背中を目にしたら、
ちょっと切なくなってしまった。
母が世話になっていた歯医者が、
なんの知らせもないまま閉じていた。
入口には貼り紙もなく、
あっけらかんと片付いた室内が見えた。
年寄りにとって、かかりつけがなくなるのは、
たいそう困ったことだった。
母に、有本さんやめちゃったよと伝えたら、
ほんとにやめちゃったの?
休んでいるだけじゃないの?
入れ歯の調子がわるいのよ。
あんたもう一回たしかめてきてよ。
おなじ電話が三日つづけて、
二度も三度もかかってきて、
ようやく納得してもらって疲れた。
そしてこの頃になって、近所の外科の
お医者も、おやめになっていたと知る。
こちらが子供のときからのお医者で、
2年前に母を連れていったら、
すっかりおじいさんの先生が、
ひょうひょうと診てくれた。
小学四年生のときに、友だちに石を
投げつけられて、
左目の下を切ったことがある。
男の子だろ、泣くんじゃない!と
叱られながら、
縫ってもらったことが懐かしい。
48年前の縫いあとは、皮膚がたるんで、
今ではぜんぜんわからない。
朝、医院の前を通ったら、
1967年より53年間、
厚く御礼申し上げます。
閉院のあいさつが貼ってあった。
ぽつぽつと、昔からの佇まいが
静かになっていくのだった。











  


130まで戻したい

2020年09月06日

 へこりと at 14:22  | Comments(0)
長月 1

このごろ歯医者に通っている。
ぐらついてる歯を,
抜いてもらいにでかけた日のことだった。
麻酔の注射を打つ前に、血圧を測ったら、
あきれたように先生に、
200ありますよと言われたのだった。
・・・まじっすか・・・
歯医者は緊張するとはいえ、
それはいくらなんでも高すぎる。
ここ10年以上、お医者にかかっていなかった。
当然血圧も、ぜんぜん測っていなかった。
アマゾンで、オムロンの血圧計を取り寄せて、
連日測ってみたら、
下は100から120、上は150から190あたりを
うろうろしているありさまだった。
原因は、たったひとつ。
言わずと知れた、連日連夜の深酒だった。
血圧、130超えたら胡麻麦茶。
さかんに宣伝しているご時世に、
さすがにこれはまずいのではないか。
日をおかず診てもらうことにした。
昨年近所に開業した、
大門ヒルズクリニックさんへ伺ったのだった。
初めてのお医者は緊張するものの、
クリニックの塚本先生は、
Drコトーを思い出すような、
にこにこと、まことに気さくなかただった。
採血をしてもらい、
一週間後、ふたたび結果を聞きに伺えば、
予想通り、肝臓と内臓脂肪の数値がよろしくない。
肝臓の数値はよくないものの、
思っていたよりはよかった。
よくないけれどよかったから、ちょっと安心した。
おまけに貧血があるといい、
それも日ごろの栄養不足のせいと,
思い当たるのだった。
若い気でいても、年相応に不摂生のつけが
じわじわと体に染み出している。
しばらくお酒は控えめにしましょう。
にっこりと言われて、
処方箋を頂いたのだった。