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焼肉詣でに

2017年02月22日

 へこりと at 17:14  | Comments(0)
如月 6

上田に暮らす友だちがいる。
毎日子育てと仕事にいそがしい。
ひさしぶりに飲み交わすことになり、
このたびは焼き肉屋でと相成った。
日曜日の夕方、
ビールを飲みながら新幹線で上田に行く。
上田の町が気に入りで、
気が向けばぶらりと訪ねている。
車窓から城跡公園の櫓が見えるたび、
なつかしい気分になるのだった。
昨年は、大河ドラマの真田丸のおかげで、
町もずいぶんにぎわっていた。
駐車場には観光バスがずらりと並び、
城跡公園も人であふれかえっていた。
好きな町が盛り上がるのはうれしいことと、
眺めていた。
友だちが連れて行ってくれたのは、
上田駅からまっすぐ上がり、
中央2丁目の信号のちょい手前、
「菜」という店だった。
ママ友の旦那さんがやっているといい、
明るくておしゃれな店内は、
焼き肉屋にありがちな油臭さがない。
カウンター越しのご主人はまだ若く、
冬はスキーのインストラクターもしているという。
ビールで乾杯をして、赤身の盛り合わせを頼んだら、
つやつやと旨そうな肉が出てきた。
ワインを飲みながらほおばれば、
こりゃおいしいと声に出る。
目の前のロースターは、煙も出ずに油もはねない。
服や髪に匂いがつかないのは、
ありがたいことだった。
追加で頼んだホルモンも、
ご好意の自家製のウインナーも美味しくて、
次から次へとたいらげて、ワイン二本空にした。
良い店だねえ、余は満足じゃと店を出て、
はしご酒に、初めてのワインバーへ連れて行ってもらう。
ワインを飲みながら、
個性的なご主人と話をしたのは覚えている。
が、店の場所も名前もさっぱりと記憶が飛んでいる。
ひさしぶりの上田飲みに、よくよく酩酊したのだった。
春の兆しが見えてくると、城跡公園の桜が気になって、
日ごとパソコンで、開花の様子を確かめるようになる。
春の酒を楽しみに。
上田の夜はまだまだ奥が深いのだった。




  


新酒の時期に

2017年02月17日

 へこりと at 14:46  | Comments(0)
如月 5

毎晩日本酒を飲んでいる。
ぽちぽちと、あちこちのお蔵さんの新酒が飲めるようになり、
飲み屋や自宅で味をたしかめている。
酒の味を覚えたころは、値の張る酒ばかり買っていた。
高くないと美味しくないと思っていたのだった。
今のように、たやすく情報の入るときではなかったから、
目についた酒屋に飛び込んでは、
珍しい銘柄はないものかと物色をしていた。
日本酒の本や雑誌を買い込んでは知識を得たり、
酒屋に飲み屋を徘徊して、
そこそこいろんな銘柄をこなしてくると、
うんちくをこねたくなる。
酒は純米じゃないといけないとか、
こつこつ造るちいさなお蔵さんじゃないといけないとか、
コンピューターを使うなんてもってのほかだとか、
妙な思い込みをしては、遠慮もなく好きだ嫌いだと騒いでいた。
ずいぶん尊大な態度で酔っ払っていたと、
今から思えば恥ずかしい。
酒のひとときはおおらかに。
ときどきわるい癖が頭をもたげるから、
気をつけなくてはいけない。
造りに携わるかたがたに話を伺えば、
良心的なお蔵さんは、安い酒から高い酒まで、
同じように手間ひまをかけて造っている。
歳をかさねてくると、気構えることが面倒くさくなってくる。
安くて旨けりゃそれで充分。
すこし酸っぱくなった野沢菜をつまみながら、
本醸造か普通酒の燗酒をやっていると、
疲れずにだらだらとほっとできるのだった。
いつぞや、飯山の北光政宗の杜氏さんが、
若いときはさんざん純米吟醸や大吟醸のような
高い酒を飲んで、歳をかさねたら、
普通酒に落ち着くのが粋な酒飲みですと言っていた。
まだ31歳の杜氏なのに、ずいぶん渋いことをいう。
若くても、その道の人は達観してらっしゃると
感心したのだった。





  


真澄を利いて

2017年02月12日

 へこりと at 11:12  | Comments(0)
如月 4

日本酒が好きで、毎日酌んでいる。
寒い夜、中井貴一の雲霧仁左衛門なんぞを観ながら、
燗酒で温まっていると、
よくよくおっさんになったなあと、
ふとわびしくなったりするのだった。
馴染みの飲み屋のべじた坊さんで宴が有った。
地酒の揃えの好い店は、
通い始めて今年の初夏で7年になる。
カウンターのすみに落ち着いて、
ビールを飲みながら品書きを見たら、
めずらしく、諏訪の真澄が載っていた。
酒の味を覚えたころ、名の知れた長野の銘柄といえば、
大手の造り手の、真澄か木曽の七笑くらいなものだった。
いつでもどこでも手に入るからありがたみがない。
かといって、地元のほかの酒を飲んでも、
なんだかなあと満足できず。
たまたま入った酒屋で見つけた、
北陸や東北の銘柄ばかり酌んでいたのだった。
ところがここ近年、
旨い酒を造るちいさなお蔵さんがあちこちに出てきた。
長野でも、東西南北好き味を醸すお蔵さんが増えて、
酒徒にとって、まことにありがたいことになっている。
そうなると、真澄のようにたやすく手に入る銘柄は分がわるい。
今さら扱わなくてもと、
飲み屋で見かけることが、とんとなくなっていたのだった。
おととしの冬、友だちが真澄の新酒を送って来てくれた。
久しぶりに利いてみたら、
以前よりもきめの細かさが増していておどろいた。
この日べじた坊さんで酌んだうすにごりの新酒も、
旨みと酸のあんばいが絶妙で、いいですねえと口に出た。
旨い酒が増えた中、それに加えて品の良さと、
あかぬけ感を感じる銘柄に出会うときがある。
あらためて、すごいお蔵さんと思ったのだった。
春の気配がすこしづつ。
おおきいお蔵さんもちいさなお蔵さんも、
無事に造りの冬を終えられますように。


  


小さな店を

2017年02月10日

 へこりと at 09:17  | Comments(0)
如月 3

日ごろ、買い物は近所の店で済ませている。
町内にちいさな八百屋があった。
昨年の秋に旦那さんが体調をくずしてから、
ずっと戸が閉まったままだった。
年が明けてまもなく、
新聞のお悔やみ欄に名前を見つけたのだった。
朝は軒先に野菜や果物を並べ、
夕方になると、奥さんとふたりでもくもくと片付けていた。
見慣れた様子がまたひとつ、町から消えてしまった。
門前町に住みはじめてから、
界隈からぽつぽつと店がなくなった。
古い町には年寄りだけの世帯も多い。
歩ける距離で買い物ができなくなるのは、
たいへん困ったことなのだった。
休日、実家の父から電話が来た。
このところ、体調不良で車の運転ができなくなっていた。
買い物に連れて行けというのだった。
かつては実家のまわりにもスーパーが有り、
個人の店もいくつかあった。
どこもかしこもなくなって、
今は八百屋が一軒あるだけだった。
父を乗せて、SBC通りのビックへ行くと、
平日なのに、ひっきりなしに車が出入りしている。
父のうしろからカートを押して眺めていけば、
野菜も魚も肉も総菜も、ぶったまげるほど安い。
ちいさい子を連れた若いお母さんに、
おじいさんやおばあさんたちが店内をさまよっている。
家族を抱えたり、年金暮らしの身になれば、
すこしでも値段が安いに越したことはない。
これじゃあ店もなくなるわけだなあ。
しみじみ合点がいってしまった。せめて気楽な独り身は、
微力でも、
馴染みのちいさな店に、お金を落としたいと思うのだった。
夕方、焼き肉が食べたくなって、近所の肉屋に出かけた。
霜降りの、国産和牛のカルビを200グラム。
上等な味だったのに、
5切れも食べないうちに胃がもたれてきた。
今度買うときは赤身ですな。
寄る年波に胃袋もおとろえて、情けないことだった。





  


立春に

2017年02月07日

 へこりと at 14:44  | Comments(2)
如月 2

立春。暦の上では春になった。
朝の冷え込みはまだまだきびしいものの、
日中、陽気の良い日がつづき、
町なかの雪もようやく溶けてきた。
ときどき降る日があっても、積もらずに溶けて、
雪のさまにも、あたたかなきざしがあるのだった。
早朝、ひさしぶりに町をひと走りした。
寒くて布団から出られずに、すっかり体が鈍っていた。
東町の通りを下りていくと、
信号の先のやくざの事務所の前で、
パトカーのサイレンが明滅していた。
ひと晩中ご苦労なことで。
ほかの町でやくざ同士の抗争があってから、
欠かさず張り付いているのだった。
交差点を左に曲がり、東に向かって走っていく。
歩いてくる人に走ってくる人、
ときおりすれちがいながら挨拶を交わす。
セブンイレブンの前では作業着姿のお兄さんたちが、
白い息を吐きながらコーヒーを飲んでいる。
ドミノピザの前を過ぎるころ、
彼方の稜線が、赤く明るくなってきた。
デニーズの窓際の席では、
若いお母さんと女の子が、まじめな顔でご飯を食べている。
早朝のファミレスに合わない光景がすこし気になった。
東和田郵便局の前まで来たら、
国道を行きかう車の数も増えてくる。
来た道をふたたび戻って行けば、
うしろから軽快な足取りののランナーが抜いていき、
みるみる小さくなっていく。
これから春先にかけて、長野マラソンを目指すランナーが、
町なかにも増えてくるのだった。
大門の八十二銀行の角を曲がって、
喘ぎながら善光寺へたどり着く。
お朝事へ向かう坊さんたちが、
ぽつぽつ本堂へ吸い込まれて行き、
朝7時、門前町の一日が始まるのだった。
ニュースを見ていたら、早々に桜の開花の時期を知らせていた。
開花に満開、長野は4月中旬という。
夕刻の陽も伸びて、あとすこし。
氏神さんの境内からうす明るい西の空を眺めていれば、
春待ち気分も膨らんで好いとなる。



  


湯の町で

2017年02月03日

 へこりと at 09:03  | Comments(0)
如月 1

友だちが二人、草津に暮らしている。
住みついて一年あまり。
それぞれ素泊まりの宿と蕎麦屋を営んでいる。
飲み仲間のかたがたと、温泉に浸かりに行ったのだった。
清々と天気に恵まれて、
青空に白煙を上げる浅間山を眺めながら、
雪でおおわれたキャベツ畑の間を抜けていく。
宿に着いて、ひと息ビールを飲んで休んでいれば、
週末は泊り客が多い。
やって来たお客を出迎えた友だちが、
怪訝そうな顔で戻ってきた。
若い男の二人連れ、こんなにいい天気なのに、
部屋に入るなりカーテンを閉めきって暗くしているという。
それはなんですか、なんか怪しい関係というやつなんですかね。
みんなで、小声でひそひそ気になりだす。
腹も空いてきて、いつまでも気にしていられない。
静まりかえった部屋を見ながら外へ出て、
蕎麦屋へ向かった。
どうもお疲れさまでした。ビールで乾杯をして、
漬け物ときのこおろしと天ぷらをつまみに燗酒を酌んだ。
賑わう湯畑のまわりをぶらついて、外湯に浸かって、
宿に戻って内湯に浸かる。
陽も暮れて宴どきを迎えれば、
蕎麦屋の旦那が鴨鍋を仕込んできてくれた。
こいつは豪勢ですなあと、箸を伸ばしながら、
積善と明鏡止水と和和和と月吉野と
豊香とこんな夜にの杯を重ねたのだった。
宿にはこのごろ外人のお客も多いという。
宴のさなか、ひょっこり顔を出したのは、
きれいな中国人の女の子だった。
いっしょにビールを飲みながら、
東京の大学で日本語を学んでいると、
流ちょうな日本語で話すのだった。
気さくな家主のちいさな宿は、
こんな出会いもあったりするから面白い。
いつもは馴染みのおでん屋で、面を突き合わせる仲だった。
こうして河岸を変えて酌み合うと、
また新鮮な気分で酔えて好い。湯と酒と料理を満喫して、
定例の温泉詣でとしたくなった。
怪しい男の二人連れは出てくることなく、
ついぞ姿を拝めなかった。