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感謝をこめて

2020年11月28日

 へこりと at 15:55  | Comments(0)

霜月 4

朝刊をめくっていたら、
お悔み欄に、懐かしいかたの名前があった。
告別式で笑顔の遺影を見たら、
鼻の奥がつんとする。
ほんとにありがとうございました。
ふかぶかとお参りをした。
美容師をしていた母の友だちで、
おなじく美容室を営んでいたかただった。
母のあとを継ごうとしたときに、
ずいぶんと世話になったのだった。
理美容専門学校を卒業して、
資格を得るための国家試験を受けた。
筆記試験はすんなり受かったものの、
困ったのは技能試験だった。
生まれつき左利きの身に、
当時の技能試験はまことにやりづらい
しろものだった。
案の定、一回目の試験は、あっさり落ちた。
母に教えを受けるものの、
左手の指の使いかたが、母にもわからない。
途方に暮れていたら、
私に任せてくださいと、助けてくれたのだった。
それから仕事が終わると、
毎晩そのかたの美容室で特訓を受けた。
その甲斐あって、晴れて2回目で合格をして、
国家資格の免状を頂けた。
だいたい、子供のころから亡くなった父に似て、
不器用だった。
家庭科の縫い物の宿題は、母に丸投げで、
音楽のリコーダーは、指の動きがぎくしゃくで、
毎日、となりの席のたかこちゃんに教わっていた。
そろばんの授業にいたっては、
さいごまで、玉のはじきかたがわからなかった。
そんな人間が、手に職の仕事を選ぶこと自体、
大きなまちがいだったと、
今ならよくよくわかる。
生まれ変わったら、絶対選ばないことだった。
下手くそでも、なんとか食いつないでいられるのは、
ただただお客さんの好意と、
その昔、試験に合格させてくれたかたの、
親身な教えがあったからだった。
お礼を言いに伺ったときに、
がんばってねと、左手用の鋏を頂いた。
あいにく、鋏の使用は右手で覚えたから、
使わずにいる。
いろんなかたの恩で今がある。
忘れぬよう、仕事場の机に置いた。





  


秋の終わりに

2020年11月21日

 へこりと at 11:02  | Comments(0)
霜月 3

冷えこみのつよい夕暮れどき、
上田城跡公園に出かけた。
灯りに照らされた、
延々としたケヤキ並木に、
石垣ややぐらに寄りそうイチョウやもみじ。
楽しみにしていたあでやかな姿を
今年もゆっくり愛でたのだった。
この秋、足を伸ばしたのは上田だけだった。
あとは、もっぱら手近な善光寺と、
菩提寺の寛慶寺の紅葉を眺め、
あとは、上松の昌禅寺まで出かけていた。
自宅から2,5キロの道のりは、
目覚めの散歩にちょうどよい。
道すがら、
家々のつつじやもみじを見ながら
坂道を行くと、
寒い朝でも、うっすらと背中に汗がにじんでくる。
もみじやかえでが色づき始めてから、
色味の様子を確かめに、何度かおじゃました。
広い境内の紅葉は、場所によって、
木々の色づきにずれがある。
日ごとの変化に飽きることなく、境内をうろついていた。
先日、馴染みの写真店に顔を出したら、
ご主人が、今日は朝から昌禅寺の写真ばかり
プリントしていると、苦笑いを浮かべた。
ニュースや新聞で見ごろの紅葉が取り上げられて、
訪れる人が増えてしまった。
いちど、早朝からたくさんの見物人に出くわして、
面食らったことがある。
先だっての日曜日の日中は、
住宅街を抜ける寺までの道が、
渋滞するほどだったという。
おまけに車同士の接触事故もあって、
おまわりさんがとんできたといい、
しずかな古刹の雰囲気を壊さないでくれと、
あきれてしまった。
落葉が境内を朱に染めるようになり、
まだしばし、秋の終わりの景色を愛でられる。
すっかり葉の落ち切った冬枯れのときにも、
足を運んでみようかと思うのだった。






  


お掃除ロボットを

2020年11月12日

 へこりと at 14:00  | Comments(0)
霜月 2

毎朝掃除をしている。
目が覚めたら、洗濯機のスイッチを入れて、
寝床に台所に茶の間を、
ちゃちゃっとほうきで掃いてから、
モップをかける。
机や食器棚を拭いて、簡単な掃除を済ませると、
ピーピーと、
洗濯終了の合図が聞こえてくるのだった。
昨年、友だちのインスタグラムを覗いたら、
お掃除ロボットを購入したと載っていた。
これマジですっごいです!
働くママさんにホントにおすすめしますと、
力づよく褒めている。
日々、仕事や子育てにいそがしく
飛び回っているから、
家事の負担が減るのは、
ありがたいこととうかがえた。
そそられて、アマゾンで調べてみたら、
ルンバのように値の張る商品のほかに、
いろんなメーカーが手ごろな価格で販売していて、
購入者の評価もおおむね高い。
ポチっとしようか迷ったものの、
独りの暮らしは、
ちいさな子がいて、部屋を汚すわけでもなく、
犬や猫がいて、毛をまき散らすわけでもない。
贅沢はいけませぬと、我慢をしたのだった。
月日かさねてこの秋、
日課にしている500円玉貯金がたまった。
かねてより目をつけていたカメラのレンズを買ったら、
思いのほか値段が安くてお金があまった。
さてどうしようと思案をしたら、
むくむくと、
お掃除ロボットが顔をもたげてきたのだった。
ちょっと迷って、えい!とポチっとして、
さっそく、届いた商品を使ってみたら、
これマジですっごいです!
働くママさんにも、ずぼらな男やもめにも、
ほんとにおすすめです!だった。
目をみはるほど、
畳もフローリングもきれいになったのだった。
部屋中をうろうろ動き回るさまは、
酔っ払って徘徊している我が身のようで、
親しみがわく。
ヨッパくんと名付けて、愛用していくこととした。

















  


秋さかり

2020年11月04日

 へこりと at 14:03  | Comments(2)
霜月 1

早朝の冷え込みが増して、
散歩に出ると、冷たい空気が肌に心地よい。
西之門の坂を下りて立町の通りを行くと、
信州大学の、レンガの倉庫のつたの葉が、
赤く色づいている。
信号を渡って進んでいくと、
加茂神社の前で、おじさんたちが拝殿を見上げながら
談笑していた。
この頃、古くなった屋根を張り替えたのだった。
見上げればぴかぴかと、
銅板のりっぱないでたちが光っていた。
通り沿いの長野商業高校から、
坊主頭の男の子たちが、その先のグラウンドへ
自転車を飛ばしていく。
目で追いながら、里島発電所の手前まで来ると、
裾花川の流れが速い。
温泉施設うるおい館の駐車場を横切って、
川沿いの砂利道を歩いていくと、
向かいの岸壁が、
やや褪せた秋の彩りに満ちている。
県庁の前をすぎて、信州大学の正門の、
イチョウの黄色を見上げて、
善光寺まで戻った。
善光寺の境内も、すっかり秋の盛りになって、
鮮やかな赤や黄色が本堂を囲っている。
ひとときひと気の途絶えた境内にも、
ずいぶんと参拝客が戻ってきているのだった。
午後、友だちから、昌禅寺の紅葉が見ごろですと
写メが届いた。
ありゃ、2日前に様子を見に行ったときは、
色づきはじめだったのに、
こんなに進んでいるのかい。
しずかな紅葉の名所に、
今年も気がそぞろになってしまう。
夕方、ポテコをつまみに麦焼酎をなめていたら、
花火が上がった。
今夜は、昨年の台風19号からの復興を願う花火が、
あちこちで上がるという。
地附山からの打ち上げ花火は、
ありがたいことに、茶の間から真正面に望めた。
無事に季節を過ごせることを、
しみじみと感じながら眺めたのだった。