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花火もおわって

2012年11月24日

 へこりと at 12:17  | Comments(0)
霜月 三

十一月の十九、二十日は、
近所の西ノ宮神社のえびす講の日ときまっている。
ふだんひと気のない神社の界隈に屋台がならび
熊手やだるまを売るテキ屋のお兄さんの
威勢のいい声がひびく。
午後から、ぽつりぽつりとお参りに来る人の姿が増えて
夜には行列ができるほどあふれかえる。
お賽銭を投げて手を打って、だるまを買って、
晩酌のつまみにたこ焼きを買って帰った。
えびす講をむかえると、犀川の河川敷で花火大会が行われる。
この時期の花火はめずらしいから、
この頃は、県外から何十台も観光バスが来るという。
以前は宵えびすの十九日の晩にやっていたのに、
平日の花火大会は道路が混雑して、
仕事帰り買い物帰りの人の交通に迷惑がかかるから
最近は、二十三日の勤労感謝の祝日に打ち上げるようになった。
仕事を終えて、町をひとまわり走りに出た。
妻科神社を過ぎたあたりで夜空に音が鳴りひびき、
今年の花火がはじまった。
南へむかう道すがら、ビルの上につぎつぎと見えてきて
ゆっくりと眺めながら走った。
会場近くの丹波島橋を上がっていったら、
橋の上にもたくさんの人がいる。
右に左によけながら、間近の花火の迫力にみとれた。
次の朝、加盟している商工会の手伝いで、
会場の掃除に出かけることになっていた。
その前に我が家の掃除と洗濯をと、
ひさしぶりに早起きをする。
洗濯機をまわし窓を開ければ、
夜明け前の空気の冷たさに目もさめる。
新聞を読み終えて、善光寺さんで手を合わせ、
たくさんたまったビールの空き缶をごみ置き場に出して、
ラジオ体操を始めるころにようやく空も明るくなってきた。
厚着をしてバイクに乗って会場へと行けば、
すでにたくさんの人がゴミ袋をぶらさげて、
花火のなごりのゴミを拾っていた。
交じって土手のゴミを集めながら眺めれば、
川のむこうに曇天がひろがって、
ほんとうに、えびす講の花火をさかいに
きっちり冬がやってくるとあらためて思う。



  


足が痛くて

2012年11月14日

 へこりと at 10:06  | Comments(4)
霜月 二

足を痛めた。
ときどき町なかを走っている。
仕事を終えた夕方、早起きのできた朝方、
ジャージに着替えて、国道沿いの歩道を南へ向かい、
丹波島橋を渡って折り返して戻ってくる。
秋もずいぶん深まって、冬の気配もそこまで来ている。
空気の冷え込みも増してきたのに、
準備運動をきちんとやらず、体を温めていなかったつけが
きたとわかる。
足のだるさが取れないと気にしていたら、
左足のふくらはぎが痛くなった。
大丈夫とたかをくくって次の日も走りに出たら、
橋を渡ったところで左足、つづいて右足のふくらはぎに
ぴしっときて、走るどころではなくなった。
痛めた足を引きずって、五キロの道のりを帰ってきたものの、
汗をかいた体を夜風の中で長々さらしていたら、
風邪もひいてしまい、さんざんな目に会ってしまったのだった。
次の朝痛みも増して、見ればすこし腫れている。
歩くのもままならず、階段の上り下りのたびにひびいてつらい。
うまい具合に、そんな日にかぎって朝から仕事がいそがしい。
いそがしいのにてきぱき動けないのは、
なんとも情けのないことだった。
手が空いたときを見計らって、近所の薬屋さんで湿布を買って
よくよく冷やすことをした。
しばらくはおとなしくとしょぼんとしながら、
そういえばと思い出した。
ぎっくり腰をやった知り合いがいたのだった。
立っていられないほど痛かったのを、
知人に連れて行かれた整体師さんのところで治療してもらったら、
帰りはスキップができるほどに良くなったと言っていた。
仕事が休みの日、
ふくらはぎを痛めました。よろしくお願いしますと訪ねていった。
ラジオの国会中継を聞きながら、年配の女性の先生に
足と、張りのある肩と背中と腰を
マッサージで揉みほぐしてもらい、針を打っていただく。
たっぷり二時間やっていただいたら、
ふくらはぎの痛みもすっかりやわらいで、体もずいぶん楽になる。
この歳になっても、こうして知らなかった好い縁に
会えるのはなによりのこと。
またお世話になりますと頭を下げた。
体も気持ちもはればれと軽くなり、時間もちょうどお昼どき。
昼酒求めに馴染みの店へいそいそと向かった。





  


上田まで

2012年11月07日

 へこりと at 15:11  | Comments(0)
霜月 一

さっぱりと晴れた朝、ひんやりした空気の中を
ひと走りに出た。
善光寺界隈の紅葉が好い色見になって
目を楽しませてくれる。
南に向かってまっすぐ走り、丹波島橋を折り返してきたら
飯綱山がうっすら白くなっていた。
秋といれちがいに、今年の冬が近づいているのだった。
紅葉を眺めに上田まで出かけた。
ちいさな城下町の雰囲気が好きで、
ときどき気の向いたときに出かけている。
駅を下りて、ほそい小路をぬけて上田城公園へとむかう。
上田高校のわきを通っていったら、
吹奏楽のにぎやかな音が聞こえてきた。
公園には、平日なのに紅葉を求めて人が多い。
おじいさんおばあさんの集団に、ベビーカーをひっぱる若いお母さん、
おそろいの制服を着たちびっ子たちの遊ぶ姿に
汗をかきかきランニングをしている人もいる。
イチョウにもみじにケヤキ、深いお堀ばたや高い石垣のむこう、
ところどころで、今が盛りのあざやかな色合いにむかえられ
みとれた。
ひとまわりゆっくり楽しんでから、久しぶりの町を歩いた。
通り沿いの教会の前には、「わたしはだれのところへ」と
書かれた看板が立っていた。
自分でもわかりません。思いながら通りすぎる。
老舗の富士アイスで、名物の志‘まん焼きを買ってほおばった。
ふっくらとした皮につつまれた甘すぎないあんこが美味しく、
まさにこの町自慢のお味だと納得する。
昼間の静かな飲み屋の小路をぶらぶらと徘徊すれば
小さな店がぎっしりと並んでいる。
気に入りの町なのに馴染みの店がないのはさみしいことだった。
今度は夜、飲み屋探しに出かけて来なくてはいけない。
いつも行列のできている日昇亭の前を通ったら、
めずらしく空いていた。
お昼はビールと焼きそばにしようかと迷ったものの、
今日の気分は蕎麦屋で日本酒と思いなおし、
太平庵の暖簾をくぐった。
サッポロのラガーでのどをうるおして、
自家製豆腐とごぼうのから揚げをつまみに、
地酒の和田龍の枡酒を酌めば、
今年の秋の締めの紅葉でしたと気持ちよく酔った。
こんど来たときは、まよわず日昇亭。早々にきめる。