小川のほとり
2011年07月19日
へこりと at 10:19 | Comments(2)
文月 五
鳥海山はうつくしい。
久しぶりに映画を観に行ったのだった。
朝からもんもんと暑い日で、
日陰を歩いていても汗がとまらない。
映画館の前では、すでに何人かのおじいさんやおばあさんが
開くのを待っている。
藤沢周平さんの作品は年輩の方がたくさん訪れる。
このところ一年に一回ほど、藤沢さんの作品が映画になっている。
気に入りの作家さんだから、上映されるたびに出かけているのに
この間の必死剣鳥刺しは、ぐずぐずしているうちに見逃した。
今回は繰り返さぬよう、上映間もなくに足を運んだのだった。
剣の達人の戌井朔之助が、脱藩した親友を討ち取りに行く。
親友の妻は自分の妹で、
勝気で、やはり剣術のできる妹は、
たとえ兄でも立ち向かってくるかもしれない。
幼いころから妹に想いを寄せていた奉公人の新蔵と、
ふたり旅に出る。
海からのびる鳥海山の山並みや、澄んだ川の流れ、
彩りあざやかな花々の景色。
藤沢さんの作品は、生まれ故郷の山形が舞台になっている。
理不尽な命令に逆らえぬ、下級武士のせつなさに
想いをとげられない身分のちがい、
はしはしに、それぞれの屈託を抱えながら
相手を想う情がうつしだされる。
心臓の高鳴り増すような、はげしい斬り合いのあとに
あたたかな余韻をのこして映画がおわる。
藤沢さんの作品に触れるたび、
いろいろあるけれど人は好いものと、そんな気持ちにさせられる。
映画館を出れば、昼どきの、勢い増した陽に照らされる。
それでも涼とした気持ちでいられるのは、
上質な作品を観たおかげとありがたい。
小川の辺
鳥海山はうつくしい。
久しぶりに映画を観に行ったのだった。
朝からもんもんと暑い日で、
日陰を歩いていても汗がとまらない。
映画館の前では、すでに何人かのおじいさんやおばあさんが
開くのを待っている。
藤沢周平さんの作品は年輩の方がたくさん訪れる。
このところ一年に一回ほど、藤沢さんの作品が映画になっている。
気に入りの作家さんだから、上映されるたびに出かけているのに
この間の必死剣鳥刺しは、ぐずぐずしているうちに見逃した。
今回は繰り返さぬよう、上映間もなくに足を運んだのだった。
剣の達人の戌井朔之助が、脱藩した親友を討ち取りに行く。
親友の妻は自分の妹で、
勝気で、やはり剣術のできる妹は、
たとえ兄でも立ち向かってくるかもしれない。
幼いころから妹に想いを寄せていた奉公人の新蔵と、
ふたり旅に出る。
海からのびる鳥海山の山並みや、澄んだ川の流れ、
彩りあざやかな花々の景色。
藤沢さんの作品は、生まれ故郷の山形が舞台になっている。
理不尽な命令に逆らえぬ、下級武士のせつなさに
想いをとげられない身分のちがい、
はしはしに、それぞれの屈託を抱えながら
相手を想う情がうつしだされる。
心臓の高鳴り増すような、はげしい斬り合いのあとに
あたたかな余韻をのこして映画がおわる。
藤沢さんの作品に触れるたび、
いろいろあるけれど人は好いものと、そんな気持ちにさせられる。
映画館を出れば、昼どきの、勢い増した陽に照らされる。
それでも涼とした気持ちでいられるのは、
上質な作品を観たおかげとありがたい。
小川の辺
この記事へのコメント
東山紀之はよい役者になってきましたよね。
篠原哲雄は『山桜』以来の藤沢作品ですか?
藤沢周平もですが、山本周五郎が とくに 私の好みです。それと手塚治虫の時代物も好きです。
篠原哲雄は『山桜』以来の藤沢作品ですか?
藤沢周平もですが、山本周五郎が とくに 私の好みです。それと手塚治虫の時代物も好きです。
Posted by Yackle47 at 2011年07月20日 13:01
yackleさん、おはようございます。
東山紀之、いい味だしてました。
篠原監督は、山桜に続いての
2作品目だそうです。
山本周五郎もいいですよね。
僕もときどき読んでいます。
山本周五郎や藤沢周平の作品に触れると、
風通しのいい、人との関わり方をしていきたいといつも思います。
東山紀之、いい味だしてました。
篠原監督は、山桜に続いての
2作品目だそうです。
山本周五郎もいいですよね。
僕もときどき読んでいます。
山本周五郎や藤沢周平の作品に触れると、
風通しのいい、人との関わり方をしていきたいといつも思います。
Posted by へこりと
at 2011年07月21日 08:38

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