肉屋のレストランに
2023年08月01日
へこりと at 09:56 | Comments(0)
葉月 1
自宅のすぐそばに、牛見精肉店が在る。
老舗の肉屋で、男兄弟3人のご夫婦と、
長らく勤めている従業員で営んでいた。月日を重ねる
間に、長男ご夫婦と次男が彼岸に行ってしまい、
昨年まで、残されたかたがたで営業を続けていた。
肉だけでなく、野菜や豆腐に魚の切り身も売っていて、
コロッケやとんかつにメンチカツなど、総菜も
充実していた。
ちょいと大根一本、きゅうり一袋買いに行ったり、
友だちが酒をぶら下げて訪ねて来たときに、
総菜の盛り合わせを作ってもらったり、昨今、
個人の商店が軒並みなくなる中、重宝していた。
ところが、昨年の12月に、唯一男の身内で元気だった
三男のかたが、突然亡くなってしまったのだった。
それから入口に、しばらく休養しますの貼り紙が貼られ、
灯りのつかない日がつづいていた。
近所のかたと顔を合わせるたびに、牛見さん、もう
閉店しちゃうのかなあと、かならず話に出た。。
もともと、店自体の売り上げはかんばしくなかった。
景気の良かったときは、善光寺のまわりの宿坊にも
泊り客がたくさん訪れて、肉や総菜の注文が
途切れなかった。大型のスーパーがあちこちに出来て、
お客もそちらに流れていった。
病院や給食センターへの卸しの売り上げで、店の
売り上げを補ってこられたのだった。そんな話を
店のかたから聞いたことがあったから、
このまま閉店してもやむなしの気分で、毎日店を
眺めていた。
ところがそれからしばらくした春のはじめ、
工事関係者とおぼしき人たちの姿を店内に
見かけるようになった。店内の片づけが始まって、
なにやら動きが出てきた。しばらくして近所のかたが
情報を仕入れてきて教えてくれた。
亡くなった三男さんの息子さんが、長野駅に向かう
途中の場所でレストランを営んでいた。
評判の良い店で、予約をしないと入れない人気店だった。
その息子さんが、これまでの店を引き上げて、
肉屋を改装してレストランを始めるというのだった。
肉と総菜も数を絞って販売するという。
5月の連休明けにオープンするといい、
店がなくならずに、近所のかたがたも胸をなでおろした
ことだった。オープンしてまもなく、
お祝いのワインをぶら下げておじゃました。
店内は見違えるほどおしゃれになって、生ハムでビールを
飲みながら、しげしげと眺めた。
旨い料理でワインで酔って、自宅まで30秒ですぐ昼寝。
なんとも素晴らしいことだった。
新店の華やぎ眺めビールかな。