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春に祈る

2022年03月15日

 へこりと at 07:37 | Comments(0)
弥生 5

昔、町内に暮らしていたおじいさんがいた。
長らく国鉄に勤めて、退職後は町の老人会の
会長をしながら、奥さんと仲良く暮らしていた。
太平洋戦争の折りは、満州に出兵していたかたで、
町内会の宴のときに、どんなきっかけだったか
当時の話をされて、満州では、人に言えないようなことを
さんざんやってしまったと、
ぽつりとおっしゃっていたのを覚えている。
老人会の役を辞めてしばらくしたら、
ちょっと様子がおかしいと、見受けられるようになった。
いつもにこにこと穏やかなかただったのに、
些細なことで大声をあげるようになり、
そのうちに、ふらっといなくなったかと思ったら、
とんでもない遠くの場所で保護されることがつづいた。
夜中に起き上がったかと思ったら、
敵が来るぞ、おれの銃はどこだあと叫びだしたり、
敵を攻めるぞおと、外に飛び出そうとして、
奥さんの手を焼かせることとなった。
いちど夜遅くに、玄関の戸をどんどん叩く音がして、
開けてみたら、寝間着姿のおじいさんが立っていた。
手にたくさんの100円ライターを持っていて、
手りゅう弾をみつけました、どうすればいいかと
聞いてきた。
私が預かりますと受け取って、翌朝、
奥さんに返したのだった。
ボケると、古い記憶ばかりがよみがえると言うけれど、
戦争体験がいかに心に傷を落としていたか
うかがえた。しばらくそんなことがつづいたのち、
おじいさんは彼岸へ旅立ってしまった。
戦争で、深く長い傷を負っている人々のことを思うと
気持ちがなんとも暗くなる。
はるか遠い国に早く平和が訪れますように。
祈らずにはいられないのだった。

青空と小麦の国や春祈る。

春に祈る








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