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刀屋にて

2021年09月09日

 へこりと at 09:30 | Comments(0)
長月 3

休日の昼どきは、
たいていどこぞの蕎麦屋で酒を酌んでいる。
品書きの肴を一、二品。ビールを一本に
お銚子二本。
ほろ酔い加減になったら、締めのもりを
すすっている。
上田駅からほど近い場所に、
刀屋という蕎麦屋がある。
真田太平記の作者、池波正太郎さんが
贔屓にしていた店で、
取材のたびに立ち寄っては、
天ぷらなどをつまみに酒を飲み、
蕎麦を食していたという。
店のかたの客あしらいもていねいで、
それがまた魅力というのだった。
気になっていたものの、昼どきは、
お客が外で待っていることがたびたびあって、
うかがうのをためらっていた。
先だって、昼どきをいくらか過ぎたころ、
上田へ出かけた。
思いついて、ちょいと覗いてみたら、
幸い、席に余裕があった。
端っこの入れこみに上がり、
ようやくの、念願かなう運びとなった。
つづけざまにお客が出入りするものの、
年季の入った店の佇まいに、気分がほっと落ち着く。
自家製の漬物をつまみに、
ビールを飲みながら眺めていると、噂通りに
蕎麦の量が半端じゃない。
しばらくして入ってきたワイシャツ姿の6人連れが、
そろって、ざる蕎麦の大を注文したら、
店のお姉さんが、
大で四人前の量になりますけれど大丈夫ですかと
いう。中で三人前、並で二人前、小で一人前といい、
聞いていて、思わず笑ってしまった。
まことに気前がいいのだった。
すみやかに、6人そろって並に変えていた。
燗酒を頼んだら、
ぬるかったら言ってくださいねの気遣いと一緒に、
また漬物を持ってきてくれたのも、
気前がいいことだった。
締めのもりを頼んだら、
おさけのかた、もりのしょうおねが~いと
のどかな声が厨房から聞こえた。
おさけのかたの顔を覚えてもらうよう、
間をおかずに来なくてはいけない。
屋号の由来はその昔、先祖が刀鍛冶を
やっていたからという。
蕎麦はこしのある太打ちで、
なかなかのど越しの手ごわい味に、
小でじゅうぶん腹がふくれた。
池波さんの母方の祖母の先祖は、
上田城下の造り酒屋だったという。
もしかして、和田龍の和田さんちかな。
それとも亀齢の岡崎さんちかな。
上田の酒、かなり旨いですよ。
池波さんに利いてもらえぬのが、
残念なことだった。

刀屋にて







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