須坂にて
2021年08月17日
へこりと at 14:32 | Comments(0)
葉月 3
新聞を広げていたら、ひとつの広告が目に留まる。
須坂版画美術館で、版画家、清原啓子展が
行われているのだった。
掲載されている白黒の作品に惹かれ、
このお盆休みに、足を運んでみた。
大雨の中、電車に乗って駅を出て、
美術館までの坂道を上がっていくと、
傘をさしていても、ひどい降りに、
衣服のあちこちが濡れてくる。
美術館のそばの百々川が、茶色い水しぶきを上げて
ごおごおと流れていた。
こんな天気に、お客は来ないと思っていたのか、
美術館の扉を開けたら、受付のお姉さんに、
ギョッとした顔で迎えられた。
清原啓子さんは、八王子出身の銅版画家で、
31年の短い生涯で、活動していたのは10年ほど。
その間に制作された作品の数は30点余りといい、
そのほとんどが、このたび展示されていた。
自ら創造した、人や自然が題材の白黒の作品は、
幻想的な雰囲気を醸し出していて、
こわさとせつなさと力づよさを、しずかに感じさせている。
去りがたい作品の数々を前に、
会期中、ふたたび訪れたい気持ちになった。
美術館を出たら、幸い雨が小降りになっている。
この日の昼酒は墨坂神社近くの、
うなぎのた幸さんと決めていた。
坂道を下り、お店にうかがえば、
久しぶりの、ご主人夫妻の笑顔に迎えられる。
清楚な店内のカウンターに落ちついて、
つめたい緑茶をひと口いただけば、
雨の中を6キロあまり、歩き疲れた身がほっとする。
うなぎ屋の昼酒は、
飲み屋や蕎麦屋とは、またちがった趣きがある。
日本人に生まれて、まこと幸せなことだった。
ひと息ついて、う巻きたまごをつまみに、
サッポロラガーを一本に、
富山の勝駒と満寿泉を一合づつ。
うなぎのかば焼きに、ごはんを軽く添えてもらい、
美味しい、腹いっぱいの時間を過ごさせていただいた。
ご主人夫妻に見送られ、駅へ向かいつつ、
天気に恵まれぬ、今年のお盆休みだけれど、
この一日に、十分贅沢な休みと思えたことだった。

新聞を広げていたら、ひとつの広告が目に留まる。
須坂版画美術館で、版画家、清原啓子展が
行われているのだった。
掲載されている白黒の作品に惹かれ、
このお盆休みに、足を運んでみた。
大雨の中、電車に乗って駅を出て、
美術館までの坂道を上がっていくと、
傘をさしていても、ひどい降りに、
衣服のあちこちが濡れてくる。
美術館のそばの百々川が、茶色い水しぶきを上げて
ごおごおと流れていた。
こんな天気に、お客は来ないと思っていたのか、
美術館の扉を開けたら、受付のお姉さんに、
ギョッとした顔で迎えられた。
清原啓子さんは、八王子出身の銅版画家で、
31年の短い生涯で、活動していたのは10年ほど。
その間に制作された作品の数は30点余りといい、
そのほとんどが、このたび展示されていた。
自ら創造した、人や自然が題材の白黒の作品は、
幻想的な雰囲気を醸し出していて、
こわさとせつなさと力づよさを、しずかに感じさせている。
去りがたい作品の数々を前に、
会期中、ふたたび訪れたい気持ちになった。
美術館を出たら、幸い雨が小降りになっている。
この日の昼酒は墨坂神社近くの、
うなぎのた幸さんと決めていた。
坂道を下り、お店にうかがえば、
久しぶりの、ご主人夫妻の笑顔に迎えられる。
清楚な店内のカウンターに落ちついて、
つめたい緑茶をひと口いただけば、
雨の中を6キロあまり、歩き疲れた身がほっとする。
うなぎ屋の昼酒は、
飲み屋や蕎麦屋とは、またちがった趣きがある。
日本人に生まれて、まこと幸せなことだった。
ひと息ついて、う巻きたまごをつまみに、
サッポロラガーを一本に、
富山の勝駒と満寿泉を一合づつ。
うなぎのかば焼きに、ごはんを軽く添えてもらい、
美味しい、腹いっぱいの時間を過ごさせていただいた。
ご主人夫妻に見送られ、駅へ向かいつつ、
天気に恵まれぬ、今年のお盆休みだけれど、
この一日に、十分贅沢な休みと思えたことだった。