飲んで、憂さを晴らして
2020年06月24日
へこりと at 13:31 | Comments(0)
水無月 4
夕方になると、
いそいそと、馴染みの飲み屋へ出かけていく。
中央通りから、しまんりょ小路を抜けた先、
信号の前に立つと、,きまって向かいのビルの
3階を見上げてしまう。
かつての勤め先があるのだった。
30年も昔のことで、
気のつよい先輩方との関係に、
髪がうすくなるほど、
へきえきとした毎日を過ごしていた。
友だちにも、おおきな会社で働く
人たちがいる。
人間関係のしがらみに悩んだり、
思わぬところへ飛ばされたり、
パワハラにあったり、
組織で働くということは、
ほんとにままならぬことだった。
飲み屋で、ワイシャツ姿の
おじさんたちを目にすると、
のんきなひとり働きの身は、
今日もご苦労様でしたと
頭が下がる思いになるのだった。
飲み友だちに宴の席に誘われた。
ひと足早く店に着き、ビールを飲みはじめれば、
先客のおじさん4人組は、すでに盛り上がっている。
おおきな声で話しているのは、会社の社長の悪口だった。
まったく、大企業の社長のつもりなのかね、
あのバカは!
うちの規模にはそれなりのやり方があるのに、
それがわかんねえんだ、あのバカは!
いとー部長が、
もっと進言してくれるといいんですけどねえ。
むりむり!
あのバカにはひとの話を聞くっていう気が
さらさらねえんだ!
ビールをぐいぐいおかわりしながら、
そのあとも歯切れよく、バカバカバカを連呼する。
なんだかこちらも愉快になって、
バカ社長に負けるな~と、
応援したい気分になってしまった。
ぐいぐい飲んで、ざっくり腹を明かして、
今日の憂さを晴らすのだった。