心機一転の開業に
2015年09月15日
へこりと at 12:12 | Comments(0)
長月 7
休日になると、馴染みの蕎麦屋で昼酒をたしなんでいる。
生ビール一杯にお銚子を二本。
冷たいもりで締めれば、ささやかな大人の贅沢に、気持ちも潤う。
蕎麦屋の店長をしている友だちが、この頃退職をした。
店の経営者が変わり、この先勤めつづけるには、
なかなか受け入れがたい状況になったのだった。
それでも、日ごろの行いの良さのせいなのか、
捨てる神あれば拾う神ありの、折りが好いときだった。
温泉好きで、毎月草津まで足を運んでいた。
馴染みの飲み屋もいくつかできて、
地元の蕎麦屋の御主人と知り合いになった。
店を二軒営んでいて、
そのうちの一軒を、譲りたいと持ち掛けられていたのだった。
これはもう、草津に行きなさいという思し召しでしょうと、
とんとん拍子に話が決まる。
秋のうちに開業したいといい、急にいそがしくなる。
まずは店名を決めなければといい、
本人は、無頼庵という名が好いと思っていた。
ところが、まわりの友だちの受けが良くない。
昭和っぽい、頑固おやじがいるようだと言われ、
蕎麦打ちのセンスは良くても、
名づけのセンスはさっぱりなのだった。
どんなのがいいかなあ。
名前の一文字と、縁起のいい末広がりの八で、伸八。
訪れたお客さんが温かい気持ちになるように、灯庵。
こちらもいろいろ考える。
日曜日、我が家でみんなで集まって、あれこれ話したところ、
苗字をそのまま使って、
蕎麦 かない
がいちばん好いのではとなった。
たしかに、細打ちの蕎麦に通じる、切れのあるひびきも好い。
店名が決まって、これから看板に暖簾にチラシを準備して。
美しい、淑女の従業員を雇えればなお好い。
にぎわう湯の町で、心機一転がんばってもらいたいのだった。
蕎麦 かない は、湯畑の前、
山本館からの小路を上がって行った処に成る。
開店は、十月半ばを目指している。
訪れた折りは、足を運んでいただきたいのだった。

休日になると、馴染みの蕎麦屋で昼酒をたしなんでいる。
生ビール一杯にお銚子を二本。
冷たいもりで締めれば、ささやかな大人の贅沢に、気持ちも潤う。
蕎麦屋の店長をしている友だちが、この頃退職をした。
店の経営者が変わり、この先勤めつづけるには、
なかなか受け入れがたい状況になったのだった。
それでも、日ごろの行いの良さのせいなのか、
捨てる神あれば拾う神ありの、折りが好いときだった。
温泉好きで、毎月草津まで足を運んでいた。
馴染みの飲み屋もいくつかできて、
地元の蕎麦屋の御主人と知り合いになった。
店を二軒営んでいて、
そのうちの一軒を、譲りたいと持ち掛けられていたのだった。
これはもう、草津に行きなさいという思し召しでしょうと、
とんとん拍子に話が決まる。
秋のうちに開業したいといい、急にいそがしくなる。
まずは店名を決めなければといい、
本人は、無頼庵という名が好いと思っていた。
ところが、まわりの友だちの受けが良くない。
昭和っぽい、頑固おやじがいるようだと言われ、
蕎麦打ちのセンスは良くても、
名づけのセンスはさっぱりなのだった。
どんなのがいいかなあ。
名前の一文字と、縁起のいい末広がりの八で、伸八。
訪れたお客さんが温かい気持ちになるように、灯庵。
こちらもいろいろ考える。
日曜日、我が家でみんなで集まって、あれこれ話したところ、
苗字をそのまま使って、
蕎麦 かない
がいちばん好いのではとなった。
たしかに、細打ちの蕎麦に通じる、切れのあるひびきも好い。
店名が決まって、これから看板に暖簾にチラシを準備して。
美しい、淑女の従業員を雇えればなお好い。
にぎわう湯の町で、心機一転がんばってもらいたいのだった。
蕎麦 かない は、湯畑の前、
山本館からの小路を上がって行った処に成る。
開店は、十月半ばを目指している。
訪れた折りは、足を運んでいただきたいのだった。