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閉店つづきに

2014年04月08日

 へこりと at 08:31 | Comments(0)
卯月 三

春になり、早朝のひと走りにもようやく気がむいてくる。
五時に起きて約八キロ。
仕事前の準備運動にちょうど好い。
いつものように桜枝町の通りを走って行ったら、
豆腐屋のガラス戸に貼り紙がしてあった。
三月いっぱいで閉店します。長い間ありがとうございました。
店じまいの知らせだった。
毎朝、開け放ったガラス戸のむこうで、
ジャイアンツの帽子をかぶったおじさんが、
奥さんと豆腐を作っていた。
湧き上がる湯気の中でもくもくと作業をしていて、
通るたび、すっかりあたりまえの景色になっていた.
ずいぶん前に豆腐を買いに行ったことがある。
応対した奥さんは、いらっしゃいませも笑顔もなく、
お金を受け取ると、黙って奥へ引っこんでいった。
みごとなくらいの愛想のなさも、
店じまいとなると妙になつかしい。
桜枝町は昨年から、肉屋、毛糸屋、魚屋と、
たてつづけに商いをやめてしまった。
酒好きの父は、
魚屋のまぐろとかじきの刺身で一杯が気に入りだったから、
店じまいをしきりに残念がっていた。
まだがんばっている店もあって、
郵便局の職員さんは、いつも元気よくむかえてくれる。
愛想の好いパン屋のおばさんは、
夕方に伺うと、売れ残ったパンをおまけしてくれる。
電気屋ではきれいなお嬢さんが、
お父さんといっしょに働いている。
近ごろは、門前界隈で店を始める若いかたもいて、
閉店した桜枝町の美容室も、
ほどなく雑貨屋にさま変わりをした。
店じまいをしたら、更地にして駐車場。
殺風景な景色にならずに済むのは、
界隈になじんだ身にはありがたいことだった。
このごろ伊勢町の布団屋の前に、
ニッカポッカのおじさんたちがいた。
がしゃがしゃ音のひびく日がつづいたら、
すっかり店がなくなって、うらの住まいが顔を出した。
またひとつ見慣れた店がなくなって、
さみしいことではあるけれど、長いあいだの働きづめ、
ごくろうさまでしたとねぎらいたい。

閉店つづきに



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