腑に落ちずに
2014年01月15日
へこりと at 09:25 | Comments(0)
睦月 五
一月なかば、
新年の気分も、おおかた落ちついてくるころとなる。
この歳になり、
年下のかたがたと付き合う機会がふえた。
若くても人間が出来ていて、りっぱと思えるかたもいる。
かと思えば、
年上のかたの中に、いかがなものかという人もいて、
出来の良しあしは、年齢だけでは計れないのだった。
宴のあつまりのときに、
かならず遅れてくる年上のかたがいる。
人を待たせること意に介さず、
口を開けば、
こちらにはわからない、おのれの趣味の話ばかりして、
ところかまわず煙草を吸いまくる。
気づかいのない態度を、にがにがしく思っていたら、
ある日、酔ったいきおいで、
つまらない話につき合わせるなと言ったらしい。
まるで記憶になかったのに、後日、
同席していた知人に聞かされて、
またやってしまったと反省をした。
そういうことは、
きちんとしらふで言わなくてはいけない。
年配の知り合いのかたと酌み交わした。
長年、母と付き合いのあるかたで、
おおきな商店の専務をしているかただった。
新入社員のときからの付き合いで、
品物が売れずに困ったとき、
きまって母のところに飛んできたという。
そういえば子供のころ、
しょっちゅう我が家に来ていたとおぼえていた。
扱っている品物は、
けっして安いものではなかったものの、
母も、仕事の羽振りがよかったことと、
泣きつかれたら断われない性格で、
これまで、ずいぶん売り上げに貢献してきたという。
日本酒が好きというから、では一献となったのだった。
馴染みの飲み屋で待ち合わせをして、
お世話様ですの乾杯をして、
料理をたのんで杯をかさねる。
ほどよく酔って、ではそろそろお会計を。
渡されたのは、きちんと半分の金額だった。
次の日、さてさてと思いめぐらす。
何十年と世話になったかたの息子と酌み交わす。
我が身のことと置きかえたら、
きっちり割り勘で支払えるかと。
あんさん、そない野暮なこと出来ますかいなと
苦笑いになった。
ごちそうしてもらいたかったわけではない。
これまでの、関わりかたをかえりみない自腹のなさに、
ずいぶん割り切ったことと、腑に落ちなかったのだった。
良い歳をして、
屈託を持たれるような仕草は写りがわるい。
他人の振り見て我が振り直せと
よくよく言いきかせたのだった。

一月なかば、
新年の気分も、おおかた落ちついてくるころとなる。
この歳になり、
年下のかたがたと付き合う機会がふえた。
若くても人間が出来ていて、りっぱと思えるかたもいる。
かと思えば、
年上のかたの中に、いかがなものかという人もいて、
出来の良しあしは、年齢だけでは計れないのだった。
宴のあつまりのときに、
かならず遅れてくる年上のかたがいる。
人を待たせること意に介さず、
口を開けば、
こちらにはわからない、おのれの趣味の話ばかりして、
ところかまわず煙草を吸いまくる。
気づかいのない態度を、にがにがしく思っていたら、
ある日、酔ったいきおいで、
つまらない話につき合わせるなと言ったらしい。
まるで記憶になかったのに、後日、
同席していた知人に聞かされて、
またやってしまったと反省をした。
そういうことは、
きちんとしらふで言わなくてはいけない。
年配の知り合いのかたと酌み交わした。
長年、母と付き合いのあるかたで、
おおきな商店の専務をしているかただった。
新入社員のときからの付き合いで、
品物が売れずに困ったとき、
きまって母のところに飛んできたという。
そういえば子供のころ、
しょっちゅう我が家に来ていたとおぼえていた。
扱っている品物は、
けっして安いものではなかったものの、
母も、仕事の羽振りがよかったことと、
泣きつかれたら断われない性格で、
これまで、ずいぶん売り上げに貢献してきたという。
日本酒が好きというから、では一献となったのだった。
馴染みの飲み屋で待ち合わせをして、
お世話様ですの乾杯をして、
料理をたのんで杯をかさねる。
ほどよく酔って、ではそろそろお会計を。
渡されたのは、きちんと半分の金額だった。
次の日、さてさてと思いめぐらす。
何十年と世話になったかたの息子と酌み交わす。
我が身のことと置きかえたら、
きっちり割り勘で支払えるかと。
あんさん、そない野暮なこと出来ますかいなと
苦笑いになった。
ごちそうしてもらいたかったわけではない。
これまでの、関わりかたをかえりみない自腹のなさに、
ずいぶん割り切ったことと、腑に落ちなかったのだった。
良い歳をして、
屈託を持たれるような仕草は写りがわるい。
他人の振り見て我が振り直せと
よくよく言いきかせたのだった。
