永遠の0を観て
2014年01月07日
へこりと at 15:12 | Comments(0)
睦月 二
映画館へでかけた。
永遠の0を観たのだった。
すこし前に、友だちにすすめられて原作を読んだ。
就職浪人をしている青年が、太平洋戦争のときに、
特攻で亡くなった祖父のことを調べることになった。
かつて戦友だったかたがたを訪ね、話を聞くうちに、
優秀な0戦パイロットだったこと。
そのくせ、
戦地で死を覚悟することを強いられるなか、
己にも部下にも、簡単に死んではいけないと、
言いきかせていたことがわかってくる。
その祖父が、なぜ終戦まぎわに特攻をしたのか、
いろんな戦地の様子を聞きながら、
祖父の心情をさがしてゆくというあらすじだった。
文庫本で六百ページの長編は、
映画では、ところどころ削られていたり、
筋が変えられていた。
それでも、
祖父の若いころを演じた岡田准一に加え、
橋爪功に田中泯に山本学、
昨年亡くなった夏八木勲、
ベテランの役者さんがたの、
味の利いた演技にしみじみと見入った。
以前、おなじ町内に住んでいたおじいさんがいた。
いつもにこにこと穏やかな柄で、
町の老人会の会長などもしていたかただった。
いちど町うちの集まりのときに、
ひどく酔っていたときがあった。
どうしてそんな話になったのか忘れたものの、
赤い顔をゆがめながら、
おれは満州で人に言えないようなことを、
さんざんしてきたんだとつぶやいた。
どんなことをしてきたのか、とても聞けなかった。
それからしばらくして、頭の様子がおかしくなった。
あちこち徘徊をするようになり、
奥さんの手をわずらわせる。
昼夜問わず、
敵が攻めてくる、おれの銃を出してくれと
大声でさわぐ日がつづいた。
夜中、玄関の戸をたたく音がする。
開けてみたらおじいさんで、
手にいっぱいの百円ライターを見せながら、
手榴弾を見つけたけど、
どこに捨てればいいだろうと、
聞いてきたこともあった。
何十年経っても忘れえぬ思いが見えて、
戦争で、
いったいどれだけの心の傷を受けたのか、
平和ぼけした我が身では、
とても察することなどできなかった。
映画を観終えて、
あのときのおじいさんを思い出した。

映画館へでかけた。
永遠の0を観たのだった。
すこし前に、友だちにすすめられて原作を読んだ。
就職浪人をしている青年が、太平洋戦争のときに、
特攻で亡くなった祖父のことを調べることになった。
かつて戦友だったかたがたを訪ね、話を聞くうちに、
優秀な0戦パイロットだったこと。
そのくせ、
戦地で死を覚悟することを強いられるなか、
己にも部下にも、簡単に死んではいけないと、
言いきかせていたことがわかってくる。
その祖父が、なぜ終戦まぎわに特攻をしたのか、
いろんな戦地の様子を聞きながら、
祖父の心情をさがしてゆくというあらすじだった。
文庫本で六百ページの長編は、
映画では、ところどころ削られていたり、
筋が変えられていた。
それでも、
祖父の若いころを演じた岡田准一に加え、
橋爪功に田中泯に山本学、
昨年亡くなった夏八木勲、
ベテランの役者さんがたの、
味の利いた演技にしみじみと見入った。
以前、おなじ町内に住んでいたおじいさんがいた。
いつもにこにこと穏やかな柄で、
町の老人会の会長などもしていたかただった。
いちど町うちの集まりのときに、
ひどく酔っていたときがあった。
どうしてそんな話になったのか忘れたものの、
赤い顔をゆがめながら、
おれは満州で人に言えないようなことを、
さんざんしてきたんだとつぶやいた。
どんなことをしてきたのか、とても聞けなかった。
それからしばらくして、頭の様子がおかしくなった。
あちこち徘徊をするようになり、
奥さんの手をわずらわせる。
昼夜問わず、
敵が攻めてくる、おれの銃を出してくれと
大声でさわぐ日がつづいた。
夜中、玄関の戸をたたく音がする。
開けてみたらおじいさんで、
手にいっぱいの百円ライターを見せながら、
手榴弾を見つけたけど、
どこに捨てればいいだろうと、
聞いてきたこともあった。
何十年経っても忘れえぬ思いが見えて、
戦争で、
いったいどれだけの心の傷を受けたのか、
平和ぼけした我が身では、
とても察することなどできなかった。
映画を観終えて、
あのときのおじいさんを思い出した。
