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東之門町、北野家さん

2012年09月13日

 へこりと at 13:29 | Comments(0)
長月 三

住んでいる町のまわりには、あちこちに蕎麦屋さんがある。
蕎麦屋は大人の喫茶店と思っているから、
暖簾をくぐればまずは一杯やらなくてはいけない。
ビールでのどをうるおして、ゆっくり燗酒の杯をかたむける。
馴染みの店は、どこも昼間からの飲兵衛を邪険にしないから
まことにありがたい。
近所にある老舗の蕎麦屋の北野家さんが、夜の営業をやりだした。
夕方五時半になると朱色の暖簾がかかり、
赤提灯に灯がともる。
息子さん二人、浅草の割烹で修行をしたお兄さんが料理を作り、
弟さんが蕎麦を打ち、酒を出す。
お品書きに目をやれば、およそ蕎麦屋の域をこえている。
自家製塩辛に冷やっこに玉子焼き、岩魚に烏賊に鯵に鯛、
お刺身各種に、小鯵のからあげに自家製コロッケ、
牛のステーキにあぶりチャーシューなどなどと、
なにを頼むか迷うほどで、クリームパスタにチャーハンまで
あるのだった。
酒の品揃えも好く、ビールにワインに芋焼酎に麦焼酎、
日本酒にいたっては、松尾に十九に岩清水、
北光正宗、積善、聖山と、北信濃の若手の醸す銘柄を揃えているから、
飲むほうもずいぶん気合が入ってしまう。
蕎麦は細打ちの十割で、弟さんはこの頃蕎麦を打つのが
楽しくてしょうがないという。
朝早く、戸隠の名の知れた蕎麦屋さんへ教えを乞いに出かけたり、
一日に三軒、四軒、あちこちの蕎麦屋へ足を運んでは
味をたしかめているという。
そば粉もピンからキリまであって、
好い粉をさがすことにも余念がない。
今度妙高のやつが手に入ります。打ったら知らせます。
目を輝かせていうものだから、こちらもついつい待ちどおしい。
古い町は暮らす人もすくなくなって、お店もだんだん減ってゆく。
若い人がこうして美味しい味でくつろげる店を始めてくれるのは
近所の人のよりどころにもなるからありがたいことだった。
あんまり近すぎて、ふらっと行っては酔ってばかりいるのだけ
困りものなのだった。

東之門町、北野家さん



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