水曜日はボッサで

へこりと

2012年01月14日 16:27

睦月 三

冷え込みきびしい日がつづく。
寒いのはどうにも困ったことなれど、
燗酒をことのほか美味しく感じられるのは
なによりのことだった。
晩酌で、行きつけの飲み屋で、
休日の昼、出向いた蕎麦屋で、
ひとりで、あるいは馴染んだ友だちと
温めた酒のやわらかさにひとときを過ごせば
欲張って生きなくてもよいではないか。
そんな心持ちになる。
ボッサという名の洋風居酒屋がある。
飲み仲間の知り合いがここの店長をやっていて
ときどき足を運んでいる。
広いホールの店で、週末になると結婚式の二次会や
大勢人の集まるイベントでにぎわっている。
そのかわり平日は静かなもので、たてこむこともないから
友だちと出かければゆっくり過ごせるのが好い。
このごろメニューに日本酒を加えたという。
では、月一回の定例の飲み会をボッサでやろうとなった。
蕎麦屋の元屋の若旦那と蕎麦屋の大丸の若旦那と、
本屋のひろみちゃんと、門前町に引っ越してきたあらいさんも交え
酌み交わす。
ビールで乾杯をして日本酒の品揃えを眺めれば、
ずらり信州の銘柄がならんでいる。
北光正宗、若緑、積善に水尾に十九に大信州。
澤の花に佐久の花、御湖鶴、棚田ときて、
松尾に幻舞はもうすぐ入るという。
東西南北の純米、純米吟醸が160㏄でオール500円と
価格も良心的だから、これは飲まなくてはいけないと
酒飲みの血がさわぐ。
新年らしい小鉢のならぶお重に、
知り合いの作る旨い料理をつまみに杯をかさねた。
ボッサでは毎週水曜日にはジャズのライブがある。
この日はピアノとドラムとベースのトリオの演奏で
気に入りのダニーボーイをリクエストして
それぞれに悩み抱える方々と、深ぶか信州の酒に酔ったのだった。