薪ストーブのぬくもりに

へこりと

2011年12月14日 17:15

師走 五

向かいのお宅が家の改築工事をしていた。
寒い中、連日職人さんたちがやってきて
とんかん仕事に精をだしていた。
奥さん曰く、部屋に薪ストーブを入れたという。
薪はあたたかい。
以前、薪ストーブのある知り合いの家を訪ねたときに
家中が、やわらかいあたたかさに包まれていたと
思い出す。
ストーブの上で調理も出来るから
ことこと煮物をするにも具合がいい。
壁から突き出た真新しい煙突が、
冬の陽射しに輝いていた。
休日の昼下がり、温泉にゆっくり浸かった帰り道、
馴染みの飲み処に立ち寄った。
この店も、このごろ薪ストーブを誂えたのだった。
ドラム缶をくりぬいた単純なもので、
燻したあたたかさの中、風呂上りのビールが旨い。
店の奥さんは、先日酔ってころんだと、
腫れたほっぺたを見せてくれる。
私もころびましたとメールしようかと思ったといい、
同じことをする輩が身近にいるとなぐさめられた。
ストーブの隣に席を移し、
久しぶりの、越後の良寛の燗酒をいただく。
古いやかんに徳利をつっこんで、ストーブの上で温める。
ストーブのぬくもりと燗酒の旨みに、
身も心もよくよくくつろいで、
寒い冬のぜいたくと過ごす。
窓から外をながめれば、
ひなびた町の、静かにかわいた空が見えた。
この冬はまだ雪がすくない。