豆日和

へこりと

2011年01月07日 16:00

睦月 三

醤油豆を頂いた。
中央通りの善光寺への入り口の左側に、
かどの大丸さんがある。
通りに面したガラス越しで、大きい体の若旦那が
毎日蕎麦をこね、伸ばし、テンポよく切る様は、すっかり町の風景になっている。
その日も姿が見えたから、新年の挨拶にと顔を出したら
自家製ですと頂いたのだった。
種類を問わず豆好きでいる。
この時期になると、母は角切りのこんにゃくを入れた黒豆を煮る。
こんにゃくと豆の食感が好きだったのに、
最近は億劫がって作ることをせず、
市販のものが食卓に並びものたりない。
夏になれば冷凍の枝豆を買い置きしては、
ビールのつまみにしている。
電子レンジで温めれば、
すぐに食べられる手軽さが良いと、楽をしていた。
近所の八百屋の軒先に、枝つきの奴を見つけて買って、
捥いで茹でて塩をふってつまめば、
青臭い香りと旨みは格段に美味しく、
美味しいものはちょっとの手間が大事と実感した。
飲み屋へ行ってメニューを見れば、
一年中枝豆が載っている店が多いのに、
うちは夏しか出しませんと、
季節感を大事にする馴染みがあるのもありがたい。
自宅でいちばん食べるのはくらかけ豆で、
長野の北の産物で、
青々茹で上がったら、さっぱり醤油をかけるのも好し。
濃い目の出汁に浸すも好し。
酒との愛称好く、家で飲み会などやれば、
みんなさいごはつまみながら、だらだら盃を重ねている。
頂いた醤油豆は、甘すぎずしょっぱすぎず、
程よくやさしい味で美味しい。
毎晩少しずつ箸をつけている。