富山へ
卯月 6
仕事をさぼって富山へ出かけた。
新幹線に乗って行けば、じきにトンネルの合間の景色が、
山の空から海の空へと変わる。
缶ビール2本で着いたのだった。
先に土産を買って送ろうと、とやマルシェに行くと、
菓子屋にかまぼこ屋に酒屋、
行く先々でちょっとおまけを付けてくれた。
富山の商人は気前が好い。
駅を出て、運河の流れる環水公園に行くと、
空が広々としている。
その先では悠々と、
神通川が町の中を流れていた。
町なかに人が少なく、行き交う車に交じって、
ごとごとと市電が走っていく。
初めて歩いた町並みに、ちょっと暮らしたくなるような、
のんびりとした気配を感じたのだった。
駅に戻って、あいの風とやま鉄道で15分、
高岡へ行った。
ホテルに荷物を預けて、国宝瑞龍寺に行くと、
前田利長公が迎えてくれた。
加賀百万石、前田家ゆかりの古刹は、
当時の隆盛がわかるほど、門も本堂もでかくて圧倒された。
江戸時代から、産業の発展してきた町を歩いていくと、
川沿いの道のあちこちに、
ちいさな工場や製作所が点在していた。
古城公園に行くと、お堀のまわりに緑があふれていて、
ここも好い公園といやされる。
町なかにぽつんとしている大仏さんを眺めてから、
ホテルへ戻った。
大浴場で、ひと風呂浴びてさっぱりしたら、
陽も暮れて、気分もそわそわと。
さびれた駅前の飲み屋街を抜けて、
目当ての店へ向かったのだった。