新緑のときに
卯月 5
玄関先のガマズミが、日ごと葉を増やして、
ちいさな蕾が見えてきた。
向かいのお宅のつたの葉も、つやつやと大きくなっている。
家屋の裏のツルバラも、ぐいぐいと葉が茂り、
冬の間、あんなにやせおとろえていたのになあ。
枝々の健気さに、今年もほれぼれとしているのだった。
桜のころ、ぼんやりと柔らかだった陽射しにも、
すこしきりっとした輪郭が出て、
すがすがしく新緑を照らしている。
早朝、散歩に出た。善光寺を抜けて、
往生地の坂を上がっていくと、
往生地公園では、
まだ、八重桜が見ごろの色を成している。
坂道沿いのりんご畑を覗いてみれば、
すこし蕾の開きかけた枝がある。
りんごの白い花が満ちるのも、もうすぐのことだった。
りんご屋のならぶ道路に出て、歩いていくと、
長野西高校のむこうに、エムウェーブの屋根が光っている。
はるかかなたの山並みがかすんでいて、
花粉なのか黄砂なのか、歩いているうちに、
目鼻がうずいてきた。
七曲りの入り口や、気象台の横の桜は、
まだ花びらを保っていた。
黄色いレンギョウが、まだ浅い緑の中で映えている。
雲上殿をすぎて下りていくと、
長野高校の五差路では、すでに朝の渋滞が始まっていた。
その先の、すき家に入って、ポークカレーを食べていたら、
カメラをぶら下げてどちらへお出かけですか。
友だちからメールが来た。
どこで見かけたんだろう、全然気がつかなかった。
新緑を愛でに。緑の季節を楽しみましょう。
返事を打った。