お盆休みに

へこりと

2016年08月16日 14:35

葉月 4

お盆休みの早朝、菩提寺でお参りを済ませてから、
草津へ出かけた。
友だちが二人暮らしていて、それぞれ、
蕎麦屋と旅館を営んでいるのだった。
スーパーカブにまたがって、松代から地蔵峠を上がっていくと、
ロードレーサーに乗った若者がお尻をあげて、
必死にペダルをこいでいる。
ファイト~と声をかけたら、
ありがとうございますと、元気な声が返ってきた。
真田町を抜けて鳥居峠を越えていくと、
大きな空の下にキャベツ畑が広がっている。ゆるやかな曲道を、
のんびりと眺めながらで走っていると、
大きなバイクの集団が、すごいスピードで追い抜いていった。
山の湯の町は、夏休みの観光客で盛況で、
人のあいだを縫うようにして旅館にたどり着く。
さっそくひと風呂浴びてから、蕎麦屋のひと席に落ち着いて、
昼酒のひとときとなる。
そのまま旅館に戻っての宴となって、
草津へ来るたびに、
こんなことをくり返してはつぶれているのだった。
翌々日、休みの最後の日、
いまにも降りそうな厚い雲が広がっている。
空模様を気にしながら飯山へ出かけた。
春、たくさんのかたが訪れる菜の花公園に、
夏になるとひまわりが咲くと聞いたのだった。
国道117号を、千曲川を眺めながら走っていけば、
がたごとと飯山線のさびれた車両が追い抜いていく。
まっすぐ進んで道の駅を過ぎて、
赤い橋を渡ったら、じきに公園に着く。
春は、菜の花の黄色で埋まる草地をすぎていくと、
夏の千曲川を背景に、ひまわりの群れが揺れていた。
いつ種をまいたのか。
まだ知られていない様子で、若者4人連れと、
親子3人連れがいるだけだった。
菜の花の時期の、賑やかなときしか来たことがなかった。
花の向こうの遠景を、
しずかに眺めるのも好いものだった。
帰り道、ひと気のない道を戻っていけば、
田んぼの緑が目に映える。
なだらかな山並みが遠くにかすみ、
北信濃の夏の気配は、ことさら爽やかさがある。
お盆も過ぎて、夜ともなれば、
しずかな虫のささやきも聞こえる。
すぎてみれば夏も短い。
毎年おなじことを思っているのだった。