こりずに散財しそうな。
神無月 一
九月は散財つづきですごしてしまった。
酒飲みの身に、いつも以上に飲み会が多く、
月の初めにすでに十二個の予定が入っていた。
定例の飲み会がふたつに、馴染みの飲み屋での
日本酒の会がふたつ。
中学校の同級会に、友だちがらみのイベントがふたつ。
飲み仲間との集まりが五つで、
そのほかに急なお誘いもあったから、
二日に一回飲みに出ていたこととなり、さすがに疲れた。
バイクで散歩に出かけたときに、行った先の温泉にバイクを停めて
ホルダーにヘルメットをぶらさげてひと風呂浴びて戻ってきたら、
マフラーにヘルメットが触れていて、
くっきり熱で溶けてみじめなすがたになっていて
買ってまだ間もなかったのに、新しいのを買うはめになった。
いたって健康で、肩こりで整骨院へいくぐらいしか
お医者の世話になっていなかったのに、
夏の半ばごろからたびたびめまいを起こすようになった。
いよいよアルコールが脳にまわったかと心配になり
大きな病院で細かい検査をしてもらった。
幸いどこにも異常はないといわれたものの、
相変わらずときどきくらっとするときがある。
五十歳になればこんなこともあると、
あまり気にせず構えている。
ときどき町を走っていて、新しいランニングシューズを
買ったのだった。
値段の安さに惹かれて買ったものの、足に合わず
血豆ができたり皮がむけたりと、痛い目にあいしくじった。
しょうがないと奮発して、もう少し値段の高いものを買ってみたら
履き心地好く、喜んでいたのもつかの間のこと、
休日の朝、走ったあとに洗って玄関脇に干して、
近所の温泉で汗を流して帰ってきたらなくなっていた。
まだ二回しか履いていなかったのにと
なくなくまた買う羽目になってしまった。
飲み会に、予定外の出費もあって、
月末には懐にもすっかりさびしい秋の風が吹いていたのだった。
十月はもうすこし切り詰めてと思っていたはずなのに
気がつけばすでに飲み会の予定が八個入っていて、
これも自業自得となさけない。
開き直って、せいぜい旨い酒を酌むと言い聞かす。