同級生というものは
皐月 七
仕事を終えて飲みに出かけた。
いつものように駅の東口にあるいいださんでと思ったら
本日十九時半からの営業と張り紙がしてありふられた。
西口へと引き返してまんちさんへ向かった。
まんちさんは午前二時まで営業していて
いいださんで飲んだあと、店を閉めた御主人と
ときどき一緒に出かけている。
そのときはこちらはすでに酩酊してるから、
たいていビール一杯酒一杯ですぐに舟をこいでしまう。
しらふで伺うのははじめてなのだった。
ビールをもらってからアスパラ焼きと茶まめとふき味噌と
きゅうりを注文する。
ふき味噌の季節も終わりだねえと話しながら
澤の花を酌み、伯楽星を酌んだ。
三杯目の伯楽星に口をつけていたら電話がなった。
知り合いの酒屋のたかしさんからで、
今、仲間と駅前の飲み屋にいるという。
それではと腰をあげて向かい、宴の席に顔を出せば
たかしさんに、馴染みの飲み屋のみちのかのがくさんと
スタッフさん二人、そして初対面の女性が三人、
みんな高校の同級生や後輩の間柄という。
若い方の輪にまぜてもらい酌み合えば、
すっかり気心許しあっている馴染み同士の空気が
はたから眺めていても気持ちが好い。
みんないい仲間だねえ。自然と口にでた。
五十歳になり、すでに彼岸へ旅立った同級生や同窓生もいて、
無理なく会える友だちが身近にいることのありがたさを
しみじみ感じる歳になっている。
二十八歳で逝った同級生がいた。
病気になって帰省していると聞いて、ときどき見舞いに顔を出した。
行けばいつも自分は飲めないくせにエビスビールで
もてなしてくれた。
体調のいいときに戸隠までドライブに出かけたり、
夏、同級生何人かで集まって花火をしたり宴をした。
ついこの間のように思いだせるのに二十二年も経っていた。
進歩のないまま歳だけかさねた呑み助は、
エビスを飲むときときどき思い出す。